ジョジョ読者のブログ

ジョジョの奇妙な冒険の感想、批評、考察を書いています。

ジョジョのルーツを探る

デビルマン 全5巻を読む

今年のゴールデンウィークは身体をゆっくり休めようということで、5月3日からの5連休 何もせず、食べて、寝て、また食べて寝て…とゆっくり、なにもせず過ごしていた。起きている時間はプロ野球を観たり、YouTubeを観たり、まったく生産的なことをせず、他…

種の起源、超ひも理論、ジャパニーズホラー アリの目タカの目で、ジョジョリオンを深読みする

ウルトラジャンプ2020年8月号 透龍君の出生が明かされ、人間(ホモサピエンス)と岩人間 炭素生物とケイ素生物の同異が解説される回を読んだ。 とても面白く刺激的な内容の話で、(残念ながら、先月くらいのブログ記事で書いた)透龍はただの医学生で院…

キャラクターは作者自身の投影である 独断と想像のメモ

マンガに描かれるキャラクターは作者自身の投影である。荒木先生の「漫画術」 キャラクターづくりの章で、そんなことが述べられていた。 理髪店に行ってヒゲソリをしてもらっていたところ、アヌビス神にとりつかれた散髪屋さんとポルナレフのやりとりが目に…

「強さとは何か」 ブルースリーの燃えよドラゴンを観る

お正月休みに、映画「燃えよドラゴン」をはじめて観て、あわせて、手元にあった手塚治虫「マンガの描き方」を読み返し、ゆでたまご「生たまご」を読んだ。 東洋と西洋の違い、肉体と精神の調和みたいなテーマを求めて、アマゾンプライムではじめてレンタルし…

正統と異端 (オカルトとは何か)

2014年の春 このブログで、「ジョジョはなぜ気持ち悪いのか?」という記事を書いたことがあった。 ジョジョは、なぜ気持ち悪いのか? - ジョジョ読者のブログ 当時 ムーなどの編集によるミニムック、拷問と処刑、天使と悪魔、心霊現象やカルトを取上げた…

椛島勝一氏は挿絵画家で、椛島編集のおじいさんだった。

ウルトラジャンプの最新号を買うと、「荒木飛呂彦原画展ー冒険の波紋ー」を、2020年1月 長崎県美術館で巡回開催します、とニュースが載っていた。 それだけなら、なぜ長崎?とは思ったものの、原画展がそこそこ人気あるのだな というだけの感想だったが…

ジョジョのテーマ「成長する読者に、成長しない作品は必要ない」 大村はまが説く「教えるということ」

ジョジョ原画展の開催が近づいていて、ジョジョをめぐるさまざまな話題がメディアから出ている。ジョジョサピエンスというアンケート企画で、ジョジョの好きな部を問う質問があったが、3~5部が人気で、現行の8部は1部と並んで最下位だった。 ジョジョリ…

河崎実のウルトラマン評論本と、アカテン教師梨本小鉄 教育教材の「第3の道」

きっかけがあって、年末くらいから本腰を入れて、教育関係の勉強をしています。 教育関係の本とは別に、ジョジョやウルトラマン、プロ野球なんかの趣味に触れたりもするわけですが、「ウルトラマンはなぜシュワッチと叫ぶのか?」という本を読んだ読書メモ、…

怪獣図解入門とドラえもん、ジョジョ 「データベース」の子ども文化

切通理作氏の著書で「怪獣少年の復讐」という本があり、ときどき読み返している。特撮関係者へのインタビューを一冊の本にまとめたもので、第2期ウルトラシリーズ、1970年代の特撮・子ども文化に興味ある方には、なかなか面白い本である。 同書の4章で…

ジョジョ展を観て、泉パークタウンを訪ねた旅の顛末

1991年頃、宅八郎が「さんまのまんま」に出演したときに、「承太郎がポケットに手を入れてたたずむ、キャッチフレーズグランプリのTシャツ」を着ていた。(ジョジョ24巻の表紙になっている、承太郎の背後にドジャーーンとかハートマークとか、いろんな…

「人生をいじくり回してはいけない」 水木しげるの背後霊と、ジョジョのスタンド使いたち

水木しげる先生のエッセイ「人生をいじくり回してはいけない」を読んだ。税務署や世間の冷たい仕打ちに心が折れて、クジけていたときに手にとったのだが、南伸坊デザインのゆるい表紙につられて手にとった、水木さんのエッセイはとても面白く興味深いものだ…

見えないものを可視化する  手塚治虫の「アラバスタ―」、「マンガの描き方」

「荒木飛呂彦の漫画術」に、絵とは何か、荒木先生が自説を述べるくだりがある。 ここで改めて、絵とは何か、という話をしたいと思います。 絵の本質的な役割は、見えないものを可視化して伝えることだ、と考えています。 描き手はいったい何を伝えたいのか、…

ギーガーの「エイリアン」と、ジョジョのスタンドたち

「ブックオブエイリアン(the book of alien)」という本があり、映画「エイリアン」のさまざまなデザイン画、創作の裏話が掲載されている。メビウスによる宇宙服のデザイン画があり、一目で観て分かる素晴らしさですが、最も目を引くのは、H・R・ギーガーに…

「時よ止まれ、おまえは美しい」  /  ジョジョ7部・8部で描かれつつある、新境地について

ジョジョ3部 DIOに、「ザ・ワールド 時よ止まれ!」という決めゼリフがある。DIO(ディオ・ブランドー)は石仮面を被って人間を超えた吸血鬼となり、さらにスタンドを身に付けて、肉体・精神ともに「ブッチギリで、人間を超えた存在」になった。世界の全て…

デヴィッド・ボウイとプリンス

「ジョジョ立ち」と呼ばれる、いわゆるジョジョ的なポージング。中性的とも評される、男の色気を醸し出すヴィジュアルイメージ。荒木先生の発言によれば、それらのルーツは様々で、ルネサンス・バロックの大理石彫刻、アントニオロペスのファッションイラス…

複眼の映像ーー私と黒澤明

橋本忍氏の著書「複眼と映像ーー私と黒澤明」の記事です。ただし、私は黒澤明監督の映画を「七人の侍」「わが青春に悔いなし」しか観たことが無く、しかも「わが青春~」は祖父の家にあったホームビデオを借りてたまたま観ただけという、全くのニワカです。…

「幻の湖」 失敗の研究

(本記事は、ほぼ全くジョジョと関係がなく、すみません。荒木先生の生まれた日本、同じ国の先輩作家・橋本忍の「幻の湖」についての記事です。)橋本忍 原作・脚本・監督の映画「幻の湖」を観た。近所のお店でレンタルできないので、2000円弱のDVDを…

イーストウッドの「ダーティーハリー」

遅まきながら、クリント・イーストウッド主演「ダーティーハリー」を観た。「悪は倒すのは悪」という記事の末尾で引用させていただいた通り、イーストウッドのダーティーハリーは、承太郎をはじめ、荒木作品のヒーローの原像となっているとのこと。承太郎は…

「ウラのウラはオモテ」  XTCが体現する、イギリス的価値観

ジョジョ、荒木作品の根底にあると思われる「ブラックユーモア」、「イギリス的価値観(English Settlement)」についての断片的なメモです。ジョジョと、その周辺にある諸作品(極個人的な意味で、自分の経験・感性の中で、近しい位置にある諸作品)を語る…

豊饒の海 解題(あるいは個人的感想文の続き)

豊饒の海の解題、あるいは個人的感想文の続きです。豊饒の海というタイトルは月面の盆地「月の海」のことで、何も無い、生命体も存在しない大きな穴ぼこが太陽の光を受け、青く光り輝くという意味で、「豊かの海(豊饒の海)」という名前が与えられている。…

豊饒の海 幻の第五巻と、ジョジョの奇妙な冒険

年に1度のキャンプを終えて、楽しい旅行から自宅に帰った日の夜、三島由紀夫の生首写真を閲覧していた自分がいた。三島由紀夫と横尾忠則、美輪明宏のことなどがつらつらと心に浮かび、軍服を着た自決事件のことが頭に浮かんだので、google検索した所、生首…

「ハリーの災難」 淀川長治がジョジョを語れば

ヒッチコック監督の映画「裏窓」「ハリーの災難」を観た。グレースケリーとシャーリーマクレーンを観たいと思ってこの2本を選んだのだが、シャーリーマクレーンのような女優は昔からいたのだなあと感心し、グレースケリーは写真だけの方がいいという感じだ…

「面白ければ、それでいい」  ヒッチコック・トリュフォーの映画術

前回のブログ記事を書いた後、4本の映画を観た。「ジョーズ」「北北西に進路を取れ」「めまい」「鳥」そして、いかにもニワカ的な行動で恐縮ですが、ヒッチコックとトリュフォーの対談「映画術」を(自分が観た映画の箇所を中心に)読みました。(今更なが…

バースデープレゼントとしての「悪魔のいけにえ」、 「サイコ」のノーマンと吉良吉影

ここ数日 本ブログを連日更新しているのは、お盆の頃に観たホラー映画の影響が大きい。お盆前後で時間が出来たときに、自分の誕生祝い(8月生まれ)の代わりに面白そうなのを観るかというつもりで、荒木先生の新書をガイドブックに、1枚108円で次々にD…

「キャリー」 友達を見つけられなかったスタンド使い

1970年代末 デビュー前の荒木先生は、 スターウォーズの素晴らしさを認めつつも、それよりも更に、キャリーに深く感動していたという。荒木先生の新書を読んで、たびたびキャリーが挙げられるので、この週末にDVDを借りて、はじめて観ることができました…

「悪を倒すのは悪」  魔少年ビーティーからジョジョに、通底するテーマ

(前回 108本目の記事で「当ブログは完」と書いたのですが、 その後 いくつか、ネットに書き残したいジョジョの記事(情報)が出てきました。 ジョジョのルーツを探る、いくつかの記事です。 仗助と億康が弁当を持ちながら言い放ったように、 「人間の考…