ジョジョ読者のブログ

ジョジョの奇妙な冒険の感想、批評、考察を書いています。

ジョジョ全体

キャラクターの彫塑、強さの理由(行動原理) 箇条書きの一覧

荒木飛呂彦の漫画術、定期刊行のジョジョマガジンにて、履歴書にもとづくキャラクターづくり、具体的な手法が紹介されている。ジョジョマガジン3号では、きのこを愛する少年のつくりかたが紹介、(同雑誌には)履歴書と、キャラクターのつくりかたが文章で…

ジョジョシリーズ 主人公たちの人間関係、位置づけ一覧、ジョセフ・ジョースターの作劇的成功

ジョジョランズ 好評連載中、パコが岩人間(?)と戦い始めた最新話まで読んでいるが、絵が引き締まり、キャラクターの掛け合いに生気があって良い。シンプルなストーリー展開、シンプルなキャラクターの設定に回帰したことで、作品全体が若返った感じがある…

魁!!男塾 硬派な男のカッコ良さとバカバカしさ、リアリティとファンタジーの境目、はざま

魁!!男塾 34巻セットを中古本で購入、三連休に読み終えた。 小学生のころ 週刊少年ジャンプで読んでいたときは、荒くれ者の不良が暴れ回る怖いマンガ、延々と続くバトルものの印象があり、一押しの漫画では無かった。兄がボギーthe greatの単行本を持っ…

宮崎駿監督の遺作 「君たちはどう生きるか」

かつてスティールボールラン 夜の雨の死闘で、ブラックモアはこんなことを言った。「人には使命がある…肉体的な小さな命なぞを超越した、大いなる使命が!」 宮崎駿さんの使命は「きれいなもの」「ふしぎなもの」「動くもの」を描くこと。以前 イバラード井…

スタンド使いの射程距離

新型コロナウィルス感染拡大防止のため、外出時 マスクを着用し、1~2mのソーシャルディスタンスを取ることが広く求められている。マスクを着用することに異論はないものの、日曜日の朝 ポストに封筒を投函するため外出したとき、無人の道路を歩いて渡る…

種の起源、超ひも理論、ジャパニーズホラー アリの目タカの目で、ジョジョリオンを深読みする

ウルトラジャンプ2020年8月号 透龍君の出生が明かされ、人間(ホモサピエンス)と岩人間 炭素生物とケイ素生物の同異が解説される回を読んだ。 とても面白く刺激的な内容の話で、(残念ながら、先月くらいのブログ記事で書いた)透龍はただの医学生で院…

2019年の振り返り

2019年の暮れが押し迫って、今年のマンガ読書を振り返ると、ジョジョリオンはあまり面白くなかった。院長先生とのチェイスが延々と続いていた感じだった。 キン肉マン オメガ編の連載も読んでいるが、最近に読んだ1巻~60巻のインパクトが強い。 手塚…

火の鳥 全巻読了のメモ、手塚治虫と荒木飛呂彦の比較

手塚治虫の「火の鳥」を、黎明編から太陽編まで、ついでに別巻(角川文庫の第14巻。資料集的なもの)をあわせて読んだ。 火の鳥は小学5~6年生のときに読んだことがあり、印象的なコマやシーンが節々にあり、思い返しつつ読んだ。今回 読んで面白かった…

当ブログのアクセス解析、インターネットで記事を書くことの反省

このブログを開設させて頂き、沢山の方がアクセス、記事を読んでいただきありがたいことだと思う。ときどきコメントを頂くことがあって、コメント投稿いただく記事の種類は、アクセス割合に比例している。 当ブログの人気記事、アクセスの多いベスト3は下記…

ジョジョリオンの路線変更、あれこれの要素への感想

イタリア・ルッカで行われたマンガアニメのフェスティバルに、荒木先生が登壇。「ジョジョはジャズコンサートの要領で描かれていて、シリーズ全体の終わらせかた 頭の中にイメージはあるが、そこにどうやってたどり着くかが、描いている自分にもまだ分からな…

「無敵のヒーロー」から遠く離れて

このブログ記事で、本ブログの記事は200本目の投稿になる。数字にとくに意味は無いが、数字の節目が積み上がってくるのは何となく嬉しい。 本ブログでは、ジョジョ7~8部のことを主に書いているが、これは現在進行中の部であるからで、個人的には、ジョ…

マンガ 「セブンブリッジ」の感想

セブンブリッジというマンガを読んだ。 板橋しゅうほうによるSFファンタジーで、白雪姫を中心に、いろんな童話・ファンタジーの要素を盛り込んだ想像力豊かな作品だった。 ジョジョとほとんど関係ない話題となり、すみません。付け足しのように加えると、本…

「何が起こっているのか分からない」 ジョジョに特徴的な場面描写

ウルトラジャンプ 2019年7月発売の最新号を読んだ。常敏・つるぎとオージロー、マコリンの戦いが描かれた話で、スピーディーに決着して面白かった。 常敏のスタンドがどのような罠をしかけたのか、オージローはどうしてプールに飛び込み、マコリンは誰…

プロ野球、キン肉マン、ジョジョ 豪傑たちの生き様を追う

(ジョジョと殆ど関係ない記事となり、すみません。ジョジョリオンの連載を毎月読んでいますが、月刊誌ゆえか展開が遅く、こまめに感想を語りづらい雰囲気があります。オージロー再登場の意外さ、つるぎと同級生 子どもと保護者たち、黒柳徹子のような学校長…

「海獣の子供」感想

ジョジョとほとんど関係ない話題で恐縮ですが、映画「海獣の子供」を観に行った。 宇宙が人の形(頭があって、胴体や手足がある)になって、宇宙=人=地球を表現するのは陳腐でどうかと思ったが、全体的に映像が凝っていて、どこまで凄いモノを見せるのか?…

座右の銘、心の泉

いわゆるミッションスクール、キリスト教系の学校法人に就職することになって、キリスト教や西洋史、中近東地域の古代史をいろいろと調べて読んでいた。 いろいろとものを見る目が拡がったのは良かったし、楽しかったのだが、結論として、自分はクリスチャン…

ジョジョシリーズ 「究極の肉体」と「究極の精神」描写の移り変わりと、5部~8部への辛めの評価

ジョジョ5部と6部のコミックスを、実家から取り寄せてひさしぶりに通読した。(下記、私自身の率直な感想ではありますが、「過激」な意見も含み、万人向けではありません。あしからずご了承ください) 5部の中盤、イルーゾォの辺りからとみにバトルが分か…

「運命」と戦う主人公たち ジョジョシリーズの通観、ジョジョリオンのクライマックス予想

実家に本を取りに行き、ジョジョ5部6部のコミックスなどを手元に取り寄せた。5部コミックスを47巻から読み直して、5部文庫本あとがきなど周辺の資料を見返していた。 5部文庫本の作者あとがき、ジョジョメノンの作者インタビュー、4部リミックス本の…

21世紀をどう生きるか?(究極の中2病)

仕事の関係で、100年前くらいのことを調べたり、そこから現代に結びつけて、自分の行く末を考えることがある。 社会科学の本を読んでいると、(1905年発表の論文 世界的な大家で、その卓越した知見と共に)これは究極の中2病だな、と感じる節がある…

岡田あーみんとさくらももこ りぼんマンガの思い出

漫画家のさくらももこさんが亡くなって驚いた。53歳で乳がんで亡くなられたということだが、(10才ほど若い)自分たちの家族も、健康管理と余命に気をつけなければ と思う。 もう1つ、別の意味で驚いたのは、さくらももこさんが亡くなった今年のお盆頃…

6億円の宝くじが当たったら何をする?

ジョジョ4部 岸部露伴が初めて登場したエピソードで、 「金やチヤホヤされるためにマンガを描いているのではない。ぼくは読んでもらうためにマンガを描いている」 と宣言する場面があった。 「これ以上、王道の漫画はない」と題する最近のインタビューで、…

ジョジョのテーマ「成長する読者に、成長しない作品は必要ない」 大村はまが説く「教えるということ」

ジョジョ原画展の開催が近づいていて、ジョジョをめぐるさまざまな話題がメディアから出ている。ジョジョサピエンスというアンケート企画で、ジョジョの好きな部を問う質問があったが、3~5部が人気で、現行の8部は1部と並んで最下位だった。 ジョジョリ…

ジョジョの旧世界と新世界 何をどう「語り直して」いるのか、推測のメモ

4月1日 日曜日の休日、近所のお寺に花見に行って、待ち合わせ中の暇つぶしに思いついたメモ。 ジョジョの旧世界(1~6部)と新世界(7、8部以降)について、荒木先生のインタビューによれば、新世界は旧世界の「語り直し」として、意識的にテーマやキ…

時間と意識

スティールボールラン 文庫本16巻が発売されていることを知り、荒木先生のあとがき目当てに、買って読んだ。連載中のジョジョリオンを含めて、物語をどう終わらせるかについての作者の考え、スティールボールランのラストに触れた内容だった。 作者の思い…

ジョジョ6部→7部・8部へと通底するテーマ 「自然に帰れ」と2011年問題

ジョジョシリーズを続けて読んできた方であれば、6部ラストの大きな「断絶」、7部以降への「転回」について、ひとこと語らずにはいられないものだと思う。6部のラストが謎めいた解釈を残していることもあるし、キャラクターや舞台設定に没入するタイプの…

私の好きな作家たち

(ジョジョとはあまり、直接的に繋がらない話題ですみません。自分自身の趣味嗜好を整理するためのメモ書きです)私の好きな作家たち ということで、マンガ家ではジョジョの荒木先生、鳥山明先生、水島新司、望月ミネタロウ、手塚治虫。文章を書く作家さんで…

人生の裏通り

「東スポ裏通り」のようなタイトルであるが、「街頭 淫タビュー」や「ボッ起ン画像」のようなエロい情報をまとめた記事ではありません。個人的に思うところ、人生の裏通り的な事柄の箇条書きです。(最後のほうで、ジョジョにも触れています)・XTC Oranges …

「人生をいじくり回してはいけない」 水木しげるの背後霊と、ジョジョのスタンド使いたち

水木しげる先生のエッセイ「人生をいじくり回してはいけない」を読んだ。税務署や世間の冷たい仕打ちに心が折れて、クジけていたときに手にとったのだが、南伸坊デザインのゆるい表紙につられて手にとった、水木さんのエッセイはとても面白く興味深いものだ…

ジョジョで後付け設定が追加され、矛盾が生まれるのはなぜか?

ジョジョを読んでいると、後付け設定が追加され、矛盾が生じることがたびたびある。有名なところでは、1部連載時 (ジャンプ誌上で)ツェペリさんの死に際で「自分には家族が居なかった」ことが語られたが、2部になって、孫のシーザーが登場する展開となり…

フェヒナーの法則と、不易流行

理数系の新書本を、雑学+中高科目の復習として、ときどき読み返すことがある。京極一樹 著「中学・高校数学のほんとうの使い道」という本があり、なるほどと思わされる一節があった。 「人間の感覚は刺激の対数に比例する。これをフェヒナーの法則という。…