ジョジョ読者のブログ

ジョジョの奇妙な冒険の感想、批評、考察を書いています。

ジョジョ全体

「時よ止まれ、おまえは美しい」  /  ジョジョ7部・8部で描かれつつある、新境地について

ジョジョ3部 DIOに、「ザ・ワールド 時よ止まれ!」という決めゼリフがある。DIO(ディオ・ブランドー)は石仮面を被って人間を超えた吸血鬼となり、さらにスタンドを身に付けて、肉体・精神ともに「ブッチギリで、人間を超えた存在」になった。世界の全て…

ジョジョとドラクエ 三部作の凄みを語る

ドラゴンクエスト2に続き、ドラゴンクエスト1、ドラゴンクエスト3をクリアするまで遊んだ。「ジョジョとゲーム」というカテゴリで、たびたびドラクエに触れてきたのですが、ジョジョとドラクエは、三部作で一つのサーガが完結するという共通点があるし、…

マンガの基本4大構造から探る、ゲームの面白さと独自性

「荒木飛呂彦の漫画術」によれば、マンガには「基本となる4つの構造」があり、重要な順に、キャラクター、ストーリー、世界観、テーマ 4つの要素が存在する。これらは互いに影響を及ぼし合って存在し、これらを増幅し統括するのが絵とセリフである。マンガ…

「総員玉砕せよ!」 女郎の歌と、生きるための戦い

水木しげるの「総員玉砕せよ!」を読んだ。ペーソスあふれる太平洋戦記で、作者によれば90%が実話であり、かつ、自身がいちばん気にいっている作品であるという。登場人物が急に出てきて死んだり、妙にリアルな似顔の登場人物が出てきて、おそらく、実際…

荒木飛呂彦の漫画術

荒木飛呂彦の漫画術について。 本ブログを閲覧される方(=ジョジョ、荒木先生の漫画に興味のある方)は、必見の本だと思います。 荒木飛呂彦自らが、どのようにして漫画を造り出してきたのか、 そのノウハウが詳細に解説されています。 漫画制作における「…

黒歴史を照らす、理性の光

「黒歴史」という言葉がある。元々はアニメ用語らしいのだが、「思い返すと恥ずかしい過去」「黒く塗りつぶして封印したい、過去の出来事」みたいな意味で使われている。黒歴史と言われて、自分にもいくつか思い当たる節があり、過去を抹殺してしまいたい、…

大・どんでん返し!

今は昔、とんねるずが20代で最も勢いのあった頃、石橋が「大・どんでん返し!」とよく叫んでいた。ねるとん紅鯨団で、男が手を挙げて告白しようとするときに、別の男が手を挙げて割り込んできたときとかに、石橋の「大・どんでん返し!」がカットインして…

ジョジョの奇妙な珍百景

前回の記事で、このブログの記事が累計100本を数えることになった。今回の記事は101本目で、キリが良い数字が並ぶのは縁起がよいことだと思う。100つながりということで、自分のお気に入りテレビ番組の一つに、「ナニコレ珍百景」がある。ジョジョ…

メディアはメッセージである

メディア論の古典 マクルーハンが述べた言葉に、「メディアはメッセージである」というものがある。メディアが伝えるコンテンツ(内容物、情報、著者の主張etc)だけに目を向けるのではなく、コンテンツを内包するメディア(媒体、外殻、プラットフォーム、…

メジャーでマイナーをやれ  椛島編集と橋本治

ジョジョベラーか何かのインタビューで、ジョジョ連載当初(または連載準備期間?)に、椛島編集が荒木飛呂彦を励ました言葉がある。「マイナー誌でマイナーなことをやっても普通でしょ。それは面白くない」「メジャー誌でマイナーなことをやるから面白いん…

「後付け」は良いことなのか、悪いことなのか

マンガの感想を語るとき、「後付けの設定」「後付けのお話」は良いことなのか、悪いことなのか 議論になることがある。例えばジョジョ1部でツェペリさんは天涯孤独を謳っていたのに、2部になってシーザーが出てきたこと、4部でジョセフに隠し子がいたこと…

ジョジョを好きな有名人(作成中)

ジョジョを好きな有名人(作成中。思い出し次第、追加していく) 主に、89年~90年代に、さまざまな媒体で発見した事例。 2000年代以降 ジョジョがTVやネットに取り上げられて以降の有名人は省く。(自分が、それらの媒体をチェックしていないため…

前向きに冒険すべし

(ごく個人的なメモ、年始の書初めのようなものです。客観性が無い点はすみません) 遅まきながら(?)はてな 近藤ご夫婦の離婚と近況について知った。また、糸柳、malaさんなど、はてな近辺で働き話題を起こした人たちの近況を5年ぶりくらいに知った。 (…

ジョジョは、なぜ気持ち悪いのか?

ジョジョをめぐる様々な感想を読んでいると、「絵が気持ち悪いので、読みたくない」「生理的に気持ち悪くて敬遠していた(でも、一度読んでみると面白かった)」というような感想を散見する。岸部露伴のもとに届けられたファンレターでも「気持ち悪いよ、ア…

帰納法と演繹法

ジョジョリオンを読んでいると、連載1回ごと、エピソード1つごとに描写や設定が食い違ってきて、物語に入り込めなくなってしまうと以前のブログで書いた。ジョジョリオンの場合、謎解きのミステリーが主眼の物語であるため、これらの謎が食い違ってきてし…

理想の科学者像

ジョジョと関係ない話題で恐縮ですが、STAP細胞 技術開発の行く末に興味がある。自分は分子生物学者でもなく、専門外の事柄に判断を下すことはできないけど、バカンティ教授、小保方さんらの発想・研究が実を結ぶのか、再現性あるものとして確立されてい…

ジョジョ9部の予想 老人の心境を描く物語

2004年 SBRの連載が始まった頃、荒木先生のインタビューで「ジョジョは、9部まで構想がある」との発言があった。スターウォーズのようなサーガではなく、テーマもストーリーも全然違う形で、7,8,9部の物語は展開していく とのことだった。20…

戦いの駆け引き

ジョジョにおける、戦いの駆け引きについて。荒木飛呂彦作品のルーツを探ると、古くは武装ポーカー、魔少年ビーティーの時代から、戦いの駆け引きが描かれている。トリック・手品による駆け引きが多く、ビーティーからジョセフに、その系譜が受け継がれてい…

ジョジョの「形式」と「内容」

「荒木飛呂彦論」というタイトルで、評論家の加藤某氏がジョジョを評論するという本が出ている。評論の中身に積極的に取り上げるべき所は無かったのだけど、ジョジョという作品の「形式と内容」を分析し、その魅力を解明していきたいーーというような一節が…

競争を勝ち抜くためのヒント

競争を勝ち抜くためのヒント。競合に勝つ、自分に勝つためのヒント。 ジョジョおよび荒木先生インタビューからの抜書き・意訳。 作者インタビュー等から。 人気取りに走ってはいけない。アンケート結果とかが気になり出すと、自分の書きたいものが分からなく…

手作りの魅力

荒木先生がストーンオーシャン単行本のコメントで、トマト栽培になぞらえて「マンガの手作りの魅力、クセを失くしてしまうことの怖さ」を綴っていたことがある。 5部連載時 90年代後半にはパソコン・CGの導入に否定的で、マンガは手作りだからねえ…と述べ…

父親不在によるドラマ

ジョジョのドラマを概観していると、 父と子のドラマ、なかんずく父親不在によるドラマが、キャラクターの人格形成に寄与していることに気付く。 1部 ジョナサンとジョージ1世、ディオを交えた家督相続のドラマ。 2部 父親母親が不在で生まれ育ったジョセ…

映画の達人

荒木飛呂彦 著、2冊の映画評論本「ホラー映画論」「映画の掟」が出版されている。 ジョジョ製作の舞台裏を覗くような内容になっていて、映画からいかに作者が影響を受け、学び、マンガを描く肥やしにしていったか垣間見える内容になっている。 文章や内容そ…

理想のベストナイン 増補改定

理想のベストナイン 増補改定。 シーズン144試合の成績を付与してみた。 1番センター ジョルノ .300 10HR 2番セカンド ジョニィ .272 5HR 3番サード 承太郎 .320 40HR 4番キャッチャー ジョウスケ .280 28HR 5番ファースト ジョナサン .260 42HR 6番レ…

「遊び」の生命

岸部露伴は動かないの短編集が、ちかく発売される。 最近の「動かない」には、後姿だけのジョウスケや、億泰康一が出てきて4部杜王町を彷彿させ懐かしいシーンがある。 手塚治虫のスターシステムにならって、あるいは映画の特別出演のように、かつてのキャ…

ジョジョをリアルタイムで読んだ記録

ジョジョをリアルタイムで読んだ記録。ごく個人的な記録です。徐々に遡る、荒木作品との出会いはバオー来訪者が最初。兄が買っていた少年ジャンプで読んでいた。初回掲載前の予告(バオーが正面向いて吠えるカット)と、最終回の見開き表紙を覚えている。次…

スタープラチナの肩パッド

ジョジョベラー スタンドブックからの話題。 荒木先生によるコメントで、スタープラチナの肩パッドについて語られている。 曰く、肩パッドの渦巻き模様は「北斗の拳」に影響を受けているが、波紋や無限を表現・象徴したものであるらしい。 1・2部の波紋→3…

理想のベストナイン

いちばん好きな野球選手、カープの前田智徳がついに引退した。カープの前田を意識して見出したのは96年以降で、94年以前からも巨人戦での鋭いヒットなど気になってはいた。週べに載っていた畑田国男の巻末コラム(炎に包まれた鬼神のような、前田のイラ…

ゴージャスな精神

ちいさこべえ2巻が発売されており、読んだ。以前にも触れたが、お茶の間と東京怪童 作者の前作を突き詰めて発展させたような漫画だ。 派手な事件が起きるわけでなく、描写も淡々としているが、間がよく、時間と空間に風が流れているかんじがする。 ジョジョ…

人生の3ステップ

ジョジョベラー限定版が、ぶじ手元に届いた。荒木先生と椛島編集の対談、巻末の作者インタビュー、井藤編集の記事を読んだ限りだが、2万円ぶんの価値はあったと思う。ありがたいことだった。ジョジョベラーの中で、スティールボールランが「輪廻、再生、無…