ジョジョ読者のブログ

ジョジョの奇妙な冒険の感想、批評、考察を書いています。

ジョジョリオンのよく分からない点

ジョジョリオン 単行本1巻~3巻くらいまでで、よく分からない点。

 

●マンションに捕まっていた裸の女と、SMプレーの写真。

笹目の自白によると、吉良の犯行に見せかけるため女を捕まえSMプレーの写真を撮ったということだった。写真の中には、定助の姿も写っている。

しかし、上記の行為が、笹目の犯行を隠す隠滅行為になる?という説明が自分にはよく分からない。マンションの一室にわざわざ女を引っ張ってきて、定助(壁の目に埋め込まれる前の姿)と女をどうやって一緒のカメラに撮影できたのかも不明だ。

また、個人的には、笹目が吉良を付けねらうのであれば、吉良の部屋を撮影・録画くらいしそうに思うので、定助のカオを見るまで吉良と間違えていた という展開はいささか苦しく感じた。

おそらく、裸の女がバスタブに捕まっているというシチュエーションを描くのが先にあり、つじつま合わせを後で放棄したのではなかろうか。

 

●吉良の腕にあったマーク

吉良の腕にあった、ハンコのような謎のマーク。東方家の屋内にも、意味ありげにマークが刻まれている。そして、このマークはSBR全記録の出版社のロゴマークであったらしい。

今後の展開でさらなる意味があらわれるのかもしれないが、今のままでは意味不明だ。単なる出版社のロゴマークが、なぜ東方家の屋内、吉良の腕に刻まれていたのか?このままミスリードとして消えてしまうのだろうか。

 

●家系図は誰が書いたのか?

SBR全記録は、1989年頃(うろおぼえ)に発行された本。巻末に家系図が挟まれているのであるが、この家系図には2000年以降の一族の出生が書き込まれている。

漫画のコマ上は、初代ノリスケからつるぎまで全て同じフォントで書かれているため、この家系図が印刷されたものに手書きで書き加えたものか、全て手書きのものなのか判別できない。一体この家系図は誰がいつ作ったのか?

東方家とジョースター家、吉良のつながりを書き、本編の中核をなす秘密をあらわすにしては、描写がおざなりだと思う。

 

●壁の目はいつからあるのか?

最後は、粗探しではなく、今後の展開に期待を持たせる点。

第1話で、壁の目は3.11の地震の直後、海から来る何かから街を守るように突然隆起しせりあがったとのことだった。

その後、ダイヤが小さい頃(地震が起きるよりずっと前)、壁の目のある辺りで転び、視力と引き換えにスタンド能力を手に入れたとのことだった。最近のジャンプでは、虹村さんが、壁の目の泉を使って、2つの物が1つに融合する効果を実証した。

壁の目(とその周辺の土地)が持つ不思議な力は、3.11の地震の以前から存在していたことは確かなようである。突然の隆起ーー「壁」の誕生は、何に基づき何を指し示すものなのだろうか。

 

リアルタイムの社会を描くジョジョは第8部が初めてで、連載開始当初 壁の目の登場には大いに謎をかきたてられた。連載開始から2年近く経ち、このあたりの謎が進む気配は無いが、うまく物語に絡めてほしい。

第8部は題材として、定助の自分捜し、東方家の家庭不和、吉良の異常性など(あえて)ミニマムな事象や事件を取り上げているようである。ややスケールが小さいというか、ゆるい展開が自分はあまり好きではない。壁の目が象徴する、杜王町全体の事件にまで物語はスケールアップしていくのだろうか。