ジョセフ・キャンベル著 千の顔をもつ英雄によると、
ヒーローの物語、神話は下記のひな型を持つものが多いという。(松岡正剛氏の受け売り)
(1)「セパレーション」(分離・旅立ち)→(2)「イニシエーション」(通過儀礼)→(3)「リターン」(帰還)
分離→旅→帰還と、言葉を置き換えてもよいだろう。
この構造を聞いてすぐ浮かんだのが、ジョジョ3部。そして2部、7部。
3部が主人公たちの完全勝利(DIOを完全敗北させたという意味で)、故郷への帰還で終わったのは、3部が、1~3部と連なる物語の決着にあたるパートだったからだろう。
2部の主人公 ジョセフは、全主人公の中でもっとも過酷な戦い、強い敵に挑んだイメージがある。ジョナサンと違い飄々と生きて帰ってきたところが、陽性のヒーローらしさを感じさせた。
7部 ジョニィは、最強の能力ACT4を得るが、復活したDioに策を張られ、レースに敗北してしまう。大統領との決着、遺体の安置についても透明な決着はしていない。
苦みばしった結末であるが、ジョニィとジャイロの友情、旅の記憶だけは本物だったという回想で物語が終わる。
このあたりは、神話を描き終わった後の4部以降の展開であり、
新世界のジョナサンという、まだヒーローになっていない未熟な若者を描こうとしたがゆえのラストだろう。
惜しむらくは、ジョニィとジャイロが帰っていく「故郷」のありようが、最後はしょられすぎて駆け足で終わったことだ。大統領戦の連載期間が長すぎて、作者が疲れてしまったのかな?と思うような畳み方だったのが残念。