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ジョジョ読者のブログ

ジョジョの奇妙な冒険の感想、批評、考察を書いています。

保守と革新  男の世界と、女の世界



保守と革新という概念について考えている。
2つは相対立する矛盾ではなく、両者がからみあって成り立つことで人間の世界は出来上がっている。
そのことは確かなのだけど、何をもって保守といい、何をもって革新とするのか 自分に引き付けた定義をすることが中々難しい。

革新を象徴する「男の世界」、保守を象徴する「女の世界」。
SBRに、その例を見てみた。(セリフは要約。うろ覚えにつき、誤記あるかもしれません)


●革新を象徴する「男の世界」

スティール氏「真の失敗とは! 開拓の心を忘れ!困難に挑戦することと無縁のところにいる者たちをいうのだ!」

ジャイロがジョニィに「おたくはすでに答えを掴んでいる。馬に乗る意志を持つなら、なぜそれを使わない?」

ジャイロがネアポリス王国で「俺は納得したいだけだ」

ジョニィ「飢えなきゃ勝てない。ただしあんなDioなんかより、もっとずっと気高く飢えなくては!」

リンゴォ「神聖さは修行だ。人として未熟なこのオレを、聖なる領域へと高めてくれる。目的はあくまで、人としてこの世の糧となるため…」

ジャイロ「俺は納得したいだけだ。マルコは無実の罪で死ななくてはならないのか?ジョニィが求める聖人の遺体とは何者なのか?
でなきゃあ、俺は前に進めねえ!レースも、未来への道も進んでいくことはできねえ!」

リンゴォ「真の勝利への道がお前にも見えるはずだ…光り輝く道を歩め」

ジョニィ「本物を探せ…自分の目でっ!じゃなきゃあ回転しない! ツェペリ家の掟は、それが言いたいのでは…?」

ジャイロとジョニィ「遺体が欲しいか?ジョニィ…全てを失っても遺体を手にしたいと思っているか?」「ああ…もちろんだ。遺体を諦めたとき…再びぼくの心は死ぬ」
「じゃあ手に入れよう。聖人が誰かとか軽々しく口にするな…。分かるなら、いずれ分かるときが来るはずだ」

シュガーマウンテン「全てを手放した者が、最後には真の全てを得る」

ルーシー、大統領邸に潜入して「これでもう後戻りは出来なくなった。やらなきゃ…やられる…」

ウェカピポ「これでもうこの世のどこにも俺の居場所はなくなった。だがそれでもいいか…俺の気分はけっこう、清らかだ」

Dio「ぶっ殺してやるッ!」

ジャイロ「おいジョニィ…おれはこっちだ。おれはこっちを…進むぜ」「そういうことならよォ…そういうことでいいんだ」

ジョニィ「あの遺体を正しく理解しているのはこのジョニィ・ジョースターだけだ。絶対に渡さない…決着をつける権利は僕にだけあるっ!」




●保守を象徴する「女の世界」

ジョニィ「ジャイロ…飢えなきゃ勝てない…。でもこの大陸横断レースはまだまだ長い…。
すこしずつ生長していけばいいじゃあないか。そうすれば最後に勝つのは、君のような「受け継いだ人間」なのに…」

ホットパンツ「もういいやめろっ!そいつイカれてるぜ。こんな道、ゆっくり進めば迷わず抜け出られるはずだ!つきあってらんねーな。そんなやつには構うな」

スティール夫妻「ルーシー… 私は、ほんのささやかな暮らしができれば満足なんだ。新聞の片隅にちょこっと名前が出るだけでいい…新聞なんか明日には捨てられてしまうんだがな」

ルーシー「私はスティーブンの妻です。スティールという姓あってこそのルーシー」

マウンテンティム「ベッドの中で死ぬなんて期待してなかったさ。俺はカウボーイだからな。ただ帰る家がほしかっただけさ…旅から帰ったときに出迎えてくれる家がな」

サンドマン「砂漠の砂粒…一粒ほどの後悔もない。ただ一つ、故郷に残した俺の姉に幸せになってほしい。俺の祈りは…それだけだ」

長い旅の間、ジャイロとジョニィは馬を傷つけず、一日の行程で無理して進み過ぎることが無いよう慎重に進んだ。
ペースを乱し、無闇に飛び出したレーサーを待つものは…死あるのみだ。

大統領「違う!ナプキンを取れる者が決めている!」

ジャイロとジョニィ「ルーシー・スティールを救い出そう」「ああ…そうだな…つまるところ、それが俺たちの目的だな」

スティール氏「ジャイロ・ツェペリ!頼む! この娘を救い出してやってくれっ!」

大統領 ジョニィを前にした、一連の演説。
「私の大統領としての絶対的使命は!わが国とわが国民に安全を保障することに尽きるからだ!」
「人間の世界では新しい歴史のはじまる所、必ず戦いが起こる。戦争ではなく、SBRレースだったからこそ犠牲は最小限で済んだのだ」
「父のハンカチから、私は家族を思う心と愛国心を学んだんだ…私の原点だよ」

ジョニィ「みんないなくなってしまった…もう誰もいない…」

ジョニィ「スティールさん…全ては終わりました。ルーシーはもう安全です」

ジョニィ「あの遺体は本当に必要なものだったのだろうか?遺体のためにジャイロは死んだ…他の者たちも…これからも、あの遺体のために誰かが死ぬのだろう」

ルーシー「幸せになるために…あたしはここに来た…」

SBRレースは、祈りながら進む日々の積み重ねだった。ひとつひとつ河を渡り、最後の河を渡り終わった。

ジョニィ「祈っておこうかな…航海の無事を…。大西洋を渡って、家に帰ろう…」




革新をうたう者が男性、保守をうたう者が女性、という性区別では無い。

何かを守り保とうとする働きが保守、
何かを壊し作り変え、まだ見ぬ新しい何かを求めようとするのが革新。
そういう分類基準に落ち着いた。

SBRの物語において、革新をうたい何かを壊し作り変えようとした者は、道半ばで死んでいったものが多い。
保守をうたい、今ある何かを守ろうとした者は、守ろうとした何かを守りきり、物語の最後に生き残ったものが多い。


人間の世界はアリの巣と似ていて、
生命を守る女王アリを保守するように巣をつくり、
無数の働きアリがまだ見ぬ新しい獲物を求めて旅をし、朽ち果てていく構造となっているのだろうか。

アメーバのような生物に例えると、
革新という触手を伸ばし拡げ続けることで、保守(という本体)を含めた生物全体が生き延びられているのだろう。

保守と革新、男と女が組み合って一つの生物として機能している最高のサンプルが、落合夫婦である。
落合夫婦は、いくつかの意味で最強と呼べる存在だが、フクシ氏はただの金持ちの息子である。人間(生物)の成長は遺伝子ではなく、後天的な環境の影響が大きいことが分かる。

スティーブン・スティールとルーシーの夫婦も、そんな理想の夫婦であったからこそ最後まで生き残ることができたのだろう。