ジョジョ読者のブログ

ジョジョの奇妙な冒険の感想、批評、考察を書いています。

能動的に読む

堀井雄二さんの「虹色ディップスイッチ」という本を読む機会を得た。ドラゴンクエスト1~4をデザイン・製作していた頃に書かれたエッセイをまとめたもので、巻末のゲームクリエイターとのインタビューも興味深い。「ぬお~~、○○だぜっ!」と燃える煽りがうまく、また要点をまとめて簡潔な文章が優れている。

以前のエントリーで小林よしのりが、ドラクエを「受動的な、ワンパターンな作業の繰り返し」と批判していると書いた。自分のドラクエ(面白いRPG)への実感は「体験する本」というものなのだけど、言い換えればこれは「能動的に読む」ということだ。

 

一本の本を読む。他人がつくった作品に触れ、鑑賞、分析するということはどこまでいっても「読む」ということに他ならない。

しかし、その作品をどのような意識、注意、知識経験をもって読み込むかによって、読み取れるものの質量は大きく異なる。

堀井雄二ウィザードリーウルティマ、それまでに触れてきた多くの遊びや体験を基にドラゴンクエストを構想したように。

荒木先生が多くのホラー映画・サスペンス映画から物語の文法を学び、演出に刺激を受けてジョジョを描き出したように。

能動的に読むということは、ただ単なる受身の娯楽ではなく、未来に創造するための礎を築く作業なのだ。

 

自分が「ジョジョ読者のブログ」と銘打って、ジョジョとそれに類する作品の感想等を書き連ねているのも、何かしら未来のアウトプットを期待しての行為だ。物語を読むという行為は、読者の人生を創造する行為に何らかの形でつながっていると思う。