読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ジョジョ読者のブログ

ジョジョの奇妙な冒険の感想、批評、考察を書いています。

メディアはメッセージである

メディア論の古典 マクルーハンが述べた言葉に、
「メディアはメッセージである」というものがある。

メディアが伝えるコンテンツ(内容物、情報、著者の主張etc)だけに目を向けるのではなく、
コンテンツを内包するメディア(媒体、外殻、プラットフォーム、形式)に目を向ける。
メディアそのものがコンテンツを規定する、形式が内容を生み出すーーという主張である。


マンガを例に取って考えると、
紙の本で読む場合と電子書籍の違い、日本語で読む場合と英語で読む場合の違い、
そして、連載でリアルタイムに読む~単行本全巻を通読するの違いがある。

以下 連載形態の違いを考えてみる。
自分の場合、ジョジョ1~4部までは、少年ジャンプを毎週買ってリアルタイムに読んでいた。
ジョジョ5部の途中からは、単行本が新発売されるごとに1冊ずつ読むことが多くなった。
思い返すと、ときどきの連載形態(=どのような形態で、マンガを読んだか)によって、マンガの読み味が違う。

連載マンガの場合は、毎週(毎月)最新話が描かれるごとに、リアルタイムで読むのが一番ぜいたくだと思う。
毎回毎回の「引き」にハラハラさせられるし、作者が描き継ぐリアルタイムの瞬間瞬間を、読者も共有できるからだ。

「伝説のプロ野球選手に会いにいく」という本で、大瀧詠一が述べていたが、
昔のミュージシャンはレコーディングに臨むとき、一発集中の気合を高め、ときに無心の境地に至ったという。
録音後 コンピュータで後加工ができなかったからなのだが、それは昔のプロ野球選手も同じではないか。
川上哲治榎本喜八、ボールが止まって見える境地も、一瞬の集中から生まれたのではないかーーと述べていた。
週刊連載のリアルタイムのテンションも、これらと似た点があると思う。

単行本で一気読みするマンガが、面白くないわけではない。
ママはテンパリストというマンガは、1巻を読んだとき、腹がよじれるほど笑った記憶がある。
1話4ページくらいと短いので、マンガ雑誌で1話ずつ読んでも物足りない。
単行本でまとめて読むことで、ごっちゃんの成長を実感することもできる。

手塚治虫火の鳥は、プロローグからエピローグまでの構想・構成が練り込まれた長編マンガである。
最初から最後まで、しっかり読み通すことで筋がつながりやすく、適度な読後感(疲労感)と共に感動が残る。

単行本の分厚さというのも読みやすさを規定する要素で、
単行本1冊があまりに分厚いと持ちにくいし、全ページを読むのが疲れる。
30~60~120分くらいの刻みで、まとまった単位のコンテンツを消費し、適度な疲労感を得られる構成がベストなのだろう。


音楽のジャンルで、スティービーワンダーのキーオブライフを例にとってみる。

2000年前後 2枚組CDをレンタルして聴いたのだが、一曲一曲の出来は良いが、どうにも冗長で、山谷が不並びでダラダラ長く、とても通して聴いてられない、と思った。
後で分かったのだが、2枚組CDはオリジナル盤と曲順が異なっており、
元々は「2枚組LP+4曲入EP」で構成されているものを並び替えたため、グシャグシャになっていることが分かった。

スティービーワンダーの意図としては、
「1枚目 A面」+「1枚目 B面」、「2枚目 A面」+「2枚目 B面」を続けて聴いてもらい、オマケとして「4曲入りEP」を楽しめる。
レコードはひっくり返すのが面倒なので、レコードの片面ずつで一つのまとまりになるよう、収まりがよいよう構成されている。

CDには収録時間のリミットがあるため、苦肉の策として、
「レコード1枚目+EPの前半2曲」「レコード2枚目+EPの後半2曲」に分けて、2枚のCDに情報を何とか収めようとしたらしい。
しかし、これは、懐石料理でいきなり天ぷらを食べさせて、温かいお吸い物を出した後 先付を食べさせるようなもので、味わいもへったくれも無い。
スティービーワンダーがこの曲順を容認していたのかどうかは分からないが、曲順が、アルバムをメチャクチャに崩していることは確かだ。

音楽を聴く環境でいえば、
レコードをひっくり返して片面ずつ聴くとか、60~80分内に10~15曲をまとめて1枚のCDに構成するとか、
itunesipodで音楽を聴く人にとってはピンと来ない感覚になりつつあるかもしれない。


インターネット・パソコンの普及によって、さまざまなメディアが変容・変革をし続けている。
枚挙に暇が無く、このブログも例の一つかもしれない。
昔だったら、大学ノートの片隅に書き連ねていたようなポエム・独り言を、グローバルオンラインで公開し、ログも保存できる。
100年後、200年後に現在のメディアがどのように変わっているかも楽しみである。