ジョジョ読者のブログ

ジョジョの奇妙な冒険の感想、批評、考察を書いています。

ジョジョ3部 タロットのトリビア

ジョジョにまつわる都市伝説で、
ボインゴの予言の書が「9.11テロ」を予告していた?というものがある。

あといくつか、オカルト的な恐ろしい噂があった気がするが思い出せない。
ジョジョ3部の旅のルートが、猿岩石のヒッチハイクと一致していたという事実があったが、
これはオカルトではなく、90年代当時 日本人が政治的に安定した地域を渡り歩こうと考えた時、両者の足取りが重なったのだろう)


1つ、都市伝説っぽいトリビアを発見したので記載しておきます。

ジョジョ3部のスタンドは、当初 タロットカードの大アルカナをモチーフに構想された。

大アルカナのカードは、愚者から世界までで22枚。
作者によれば、スタープラチナとザ・ワールドは初期に構想され、対になるデザインを考えたという。

承太郎ら 6人の主人公とDIOを除くと、残るタロットは15枚。
15人の敵スタンドを、登場順に数えていくと…
死神13が、13盤目に登場したタロットカードになる!


……ただ、それだけです。

ジョジョベラーなどによれば、3部の敵スタンドは、
半魚人、チャイルドプレイ、スライム等等、ホラー映画にアイデアを取りつつ生み出されていったそうである。
死神13は、エルム街の悪夢が元ネタと思われますが、13日の金曜日っぽい名前でもある。

荒木先生はタロット占いができるとかで、
3部製作時 タロットカードを並べながら「今度の敵はどんな能力にしようか…?」と考えていた節もあろうかと思う。
「13番目の大アルカナ・死神が、13番目の敵として現れたら禍々しくて恐ろしい」と、KJ法みたいにカードを並べながら思いついた節が無きにしもあらず。かもしれない…。


また、余談であるが、
ジョジョ3部は当初、タロットカード 22枚分くらいのキャラクターを描けば十分完結できるかという意図で、
タロットカードをモチーフに、スタンド使いを産み出していったそうである。

しかし実際には、連載が好評を得て、スタンドバトルの構想も膨らみ、
エジプト上陸時点で全てのタロットを使い切ってしまった。

そこからエジプト9栄神を登場させ、9番目の9栄神が最後の刺客になるかと思いきや、
最後の刺客はタロットの暗示が無い(連載当時はスタンド名も無かった)ヴァニラアイス、おまけにケニーGまで登場してしまった。

タロットカードからスタンド使いを産み出す初期構想は「破綻」してしまったわけだが、連載当時 個人的には、微塵もおかしなこととは思わなかった。
特に、ヴァニラアイスが出てきたくだりは、ダービー弟以上のさらなる強敵が最後に現れたことで、クライマックスに向けて大いに盛り上がりを見せたと思う。

男塾や北斗の拳など、強引に展開を引き延ばされる劇画を見ていたので、
エジプト9栄神くらいの「引き伸ばし」には動じなかったのかもしれない。

だが、それよりも、漫画をはじめエンターテイメントの生命は「面白いかどうか」であって、
作品世界の初期設定が後に破綻(変化)したり、現実世界と較べ若干辻褄が合わなかったりとかは、実にどうでもいい些末なことだと思う。

読者を楽しませてくれない作品は、ただのインク染みがついた紙の束、液晶モニターに映る光と音の塊でしかなく、
設定や辻褄だけがあってても何の意味も無い。
読者の心に届いて、何かを訴えたり、何かを残してくれる作品こそがエンターテイメントであり、「残る何か」こそが、作品の本質、作品の生命なのだろう。