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ジョジョ読者のブログ

ジョジョの奇妙な冒険の感想、批評、考察を書いています。

ジョジョリオン14巻の感想 「金」と「病気」で語る現代社会

ジョジョリオン 14巻とウルトラジャンプ 1月号(60話の掲載号)を、買って読んだ。

ジョジョリオン 60話は、ゾンビ化した少年とおばさんが定助に襲い掛かってくる話で、
ゾンビがあげる奇声、何種類あるのかと思うほどのバリエーションの豊富さがいい感じである。
少年やおばさんの人体が、リアルな街角の中で破壊されていく描写も、気持ち悪さに興が乗っている感じがする。
(このパラグラフだけを取り出して読むと、なんて非道徳的な感想を公けにするのか…という感じだが、今回の話はそういう話だったので仕方が無い)


ジョジョリオン 14巻は、個人的に読みどころが多く、面白い4話の詰まった一冊だった。

ジョジョリオン 14巻の主なモチーフは「金」と「病気」で、
現代日本、社会の在りよう、(作者自身、読者たちをも含めた)身近な人々への風刺がなかなか鋭く描かれていたと思う。

定助がダモカンを倒すシーンの無関心な通行人たち、ミラグロマンを巡る一連の人々の在りよう、突如現れた母親に馴染めない東方家の人々など。

荒木先生がミラクルジャンプのインタビューにて、
「(4部とは違って)8部の杜王町では、「他人に無関心な、リアルな現代社会の人々の有りよう」を描きたい」という旨を述べていた。
14巻に出てくる登場人物たちは、皆が何かしら嫌なところを隠し持っていて、露わになったり隠したりしているが、そんなリアリティーの描写を楽しんで読んでいた。


話が逸れるようだが、最近 「稲村亜美」のグラビアを目当てに、はじめてビッグコミックスピリッツを買って読んだことがあった。
この一冊が驚くほど詰まらなくて、(スピリッツ掲載マンガのファンには申し訳ないですが)
どのマンガも物語性が薄く、つまるところ「セックス」と「暴力」の2つしかテーマが無く、あとは少年誌の延長のスポーツマンガしか載ってなくて、面白いマンガがほぼ皆無の有様だった。

(さらに話題を外れると、ウルトラジャンプジョジョリオン以外は美術部学生のエロマンガくらいしか載っておらず、同エロマンガもお金を払って読みたいかと言われると首を傾げる。
子供が読んでるコロコロコミックを読んでみると、でんぢゃらすじーさんは子供への愛が溢れていて面白いが、樫本マナヴの忍者マンガは露骨にDIOのスタンドをパクりながら読者の受けも悪い様子で見ていられない有り様だった)


ーー何の話かというと、ひいきの引き倒しのようで恐縮ですが、最近のマンガ雑誌には、ほとんどロクなマンガが載っておらず、面白くない。
でんぢゃらすじーさんとweb連載のキン肉マン、そしてジョジョリオンの三作品くらいしか、自分が知るところ、毎回 一定のクオリティを保ち、読者を楽しませようという作品は見当たらない感じだった。

ジョジョリオンは正直なところ、最初の3~4巻くらいが面白くなく、
ラーメンの小池さんやキン肉マンのパロディ、巨乳の女の子に鼻血を出す描写の辺りなど、「もう読むのを止めようか」と思うくらい詰まらなかった。

作者の事情は分からないが、ジョジョリオンはSBR完結から間を置かずに連載が始まっており、
最初の3~4巻くらいまで、SBRの反動か、「ゆるく、パロディ然とした雰囲気」が全編に漂っていたので、それが自分には合わなかったのだと思う。

夜露が死んで、常敏が現れた8~9巻、ロカカカの実の設定が登場した後から話が引き締まって変わっていったように思うが、
これから先 コミックス15~18巻くらいでジョジョリオンは完結するかと思うが、面白いエピソードを積み重ねてほしい。


最後に、ジョジョリオンの58話 定助がホリーさんの病院を訪れる場面で、いかにも日本人然とした風貌の医師と看護婦が登場、
激高する定助をノラリクラリと交わしながら、自分の仕事を淡々とこなし務めを果たしていた。

医師の彼らは決して悪い人ではなく、あんな感じで相手を気遣いつつ淡々と自らの務めをこなしていくのが、現実の大人の過半数であり、あるべき姿とも思う。

最近に、自分の家族に病気が発覚し、総合病院での検査に立会いつつも、どうにもならない、他愛のないことを逡巡していた。
「つまるところ、医師は他人。壁の目が近くにあれば、自分と家族の病気を移し替えてもらうのに…ロカカカの実があれば、聖なる遺体のご加護があれば助かるかもしれないのに…」
幸い、家族の病気はさほど深刻ではなく、しっかり治療していけば問題解決できそうなことが分かったのですが、
病気や家族、金のことは身につまされる問題で、人生の大きな問題の一つだと思わされた。

家族の病気にあたり、WELQやNAVERまとめを参照することは無かったのですが、ジョジョリオンの一節が頭に浮かぶことはあった。
生きて健康に暮らしているからこその幸せで、ビッグコミックスピリッツは下らなかったが、下らないマンガの愚痴を書き込んで楽しんでいる内が華かもしれない。
健康はありがたいものだと思った。