ジョジョ読者のブログ

ジョジョの奇妙な冒険の感想、批評、考察を書いています。

螺髪のドクターと橋本陽馬

ウルトラジャンプの最新号と、岸部露伴は動かない2巻が同時に発売され、買って読んだ。

 

ジョジョリオンの連載は新展開で、密葉さんを誘惑するハンサムなドクターが出てきた。ロカカカの枝を奪いに来た2人のうちの1人で、岩人間の最後の一人と思う。

(個人的には、ジョジョリオンの「最後の戦い」は、常敏とその両親を巻き込んだ戦いで、憲助さんが最後の最後に悪に傾くのかどうか?みたいなせめぎ合いが描かれるのでは と予想している)

 

ハンサムなイケメンのドクターは、ちょっと見た目に気持ち悪い髪型をしていて、頭頂部や後頭部にブツブツが一杯出来ている。私自身 自分の身体に発疹や皮膚炎が出来ているのを見るのが苦手で、生理的に嫌な感じがしたのだが、よく考えてみると、これは、「仏さまの頭」に似ている。

螺髪(らほつ、らはつ)と言うそうですが、このドクターが、アーバンゲリラやプアートムとは違って、高尚・広大な思想を持ち、生死の境を超越しようとするような、何か崇高な目的を持っていることの表れかもしれない。

もう1人のドクター(? 救急隊員のもう1人)が、もしキリストのようなヘアスタイルをしていたら、まるで「聖おにいさん」のコンビになってしまうが、そこまであからさまな描写は、たぶん無いだろうと思う。

私の個人的憶測の線が強いですが、豆ずくさんがリフトの上で語っていたように、ロカカカの実(=8部のキーアイテム)は、生死の境を超える、賢者の死生観をも揺るがしかねない「悪魔の実」でした。

ドクターが単なるゲスではない、ひとかどの生命観・倫理観・社会観を持つキャラとして描かれることで、岩人間軍団の目的やルーツが語られることを期待しています。

 

 

また、「露伴は動かない2巻」は、雑誌連載で読んだものもあり、単行本で初めて読んだものもありの4つの短編でしたが、どれもなかなか面白かった。

D・N・Aは、自分の身近な家族や仕事に引き付けて、面白く読めた。

ザ・ランに出てくる橋本陽馬は、荒木先生が述べていたとおり、アラキマンガに久々に登場した「筋肉キャラクター」で、血湧き肉躍る展開が面白かった。

橋本陽馬が東京に出てきてスカウトされ、鏡の前でポーズをとるくだりは、オリジナルラブの「月の裏で会いましょう」の一節を思い出してしまう。「東京に憧れた若者、お上りさん」の表と裏が、よく描かれていると思った。

 

私自身は中年のオッサンだが、一読者の感想として、ハンサムな敵、カッコいいい敵や思想性のある敵、単なるゲスではない敵が出てくるのが、強敵感、ラスボス感があって盛り上がる気がする。

その伝で言うと、常秀がヒーロー的役割を担うことは無く、カレラにトリックスター的ピエロの役割を期待したいものの、プアートムやドロミテあたりでは、やはり、「最後に主人公が乗り越える敵」の風格は担えなかったのだろう。

ドロミテが8部杜王町のマスコットになりつつあるのはヤバい感じもするが、かつてのアンジェロ岩と同じような位置付けなのかもしれない。