ジョジョ読者のブログ

ジョジョの奇妙な冒険の感想、批評、考察を書いています。

文学的に面白かったマンガ アシュラ、捨てがたき人々、罪と罰

むかしのジャンプマンガ、少年マンガを紹介するYouTubeがあって、ときどき観ている。そこから興味を持って読んだマンガがいくつかあって、デビルマン、魁!男塾、ルリドラゴン、そしてジョージ秋山の諸作品を最近に読んだ。 ジョージ秋山先生のマンガでいち…

ジョジョの奇妙な冒険はどんなマンガなのか どんな敵が強いのか、何と戦っているのか を概観する

ジョジョの奇妙な冒険は、バトルの積み重ねを通じて主人公たちの成長を描く少年マンガである。 かならずしも広い世界を旅して回る冒険ストーリーとはなっていないが、主人公たちが困難に出会い、難局に打ち克っていく姿を通して成長していくストーリーは、1…

キャラクターの彫塑、強さの理由(行動原理) 箇条書きの一覧

荒木飛呂彦の漫画術、定期刊行のジョジョマガジンにて、履歴書にもとづくキャラクターづくり、具体的な手法が紹介されている。ジョジョマガジン3号では、きのこを愛する少年のつくりかたが紹介、(同雑誌には)履歴書と、キャラクターのつくりかたが文章で…

ジョジョシリーズ 主人公たちの人間関係、位置づけ一覧、ジョセフ・ジョースターの作劇的成功

ジョジョランズ 好評連載中、パコが岩人間(?)と戦い始めた最新話まで読んでいるが、絵が引き締まり、キャラクターの掛け合いに生気があって良い。シンプルなストーリー展開、シンプルなキャラクターの設定に回帰したことで、作品全体が若返った感じがある…

魁!!男塾 硬派な男のカッコ良さとバカバカしさ、リアリティとファンタジーの境目、はざま

魁!!男塾 34巻セットを中古本で購入、三連休に読み終えた。 小学生のころ 週刊少年ジャンプで読んでいたときは、荒くれ者の不良が暴れ回る怖いマンガ、延々と続くバトルものの印象があり、一押しの漫画では無かった。兄がボギーthe greatの単行本を持っ…

映画 SANDLANDの感想と思い出

ジョジョランズ 1巻が発売され、シャムネコ軍団と決着がつく最新話までをウルトラジャンプで読んだが、ジョジョランズにはあまり語りたいことが無い。ネコの描写がうまくなっていて、陰でデッサンを積んだのだろうか と思わされたのと、ウルトラジャンプ最…

宮崎駿監督の遺作 「君たちはどう生きるか」

かつてスティールボールラン 夜の雨の死闘で、ブラックモアはこんなことを言った。「人には使命がある…肉体的な小さな命なぞを超越した、大いなる使命が!」 宮崎駿さんの使命は「きれいなもの」「ふしぎなもの」「動くもの」を描くこと。以前 イバラード井…

ジョジョランズの「軽さ」 露伴が登場した理由を考察する

ジョジョランズ 露伴が出てきて、ジョディオと対峙する話にひとくぎりがついた。シャムネコのスタンド使いが、どうも絵が下手な感じがするのだが、荒木先生はネコを描くのが苦手かもしれない。 ジョジョランズに露伴が登場したとき、なんのために露伴が登場…

デビルマン 全5巻を読む

今年のゴールデンウィークは身体をゆっくり休めようということで、5月3日からの5連休 何もせず、食べて、寝て、また食べて寝て…とゆっくり、なにもせず過ごしていた。起きている時間はプロ野球を観たり、YouTubeを観たり、まったく生産的なことをせず、他…

ジョジョ9部 ジョジョランズの連載開始

ジョジョ9部 ジョジョランズの連載が始まった。 以前 9部は死後の世界、老人の話を描くのではないか…と予想を述べていたが、予想は当たらず、ハワイに住む少年が富豪になっていく物語となっていた。 前作と違う舞台設定、主要人物の配置、物語の構造となっ…

映画 ドラゴンボール スーパーヒーローの感想

(ジョジョリオンの連載が終わり、ブログを書くタイミングが無くなっていました。ひさしぶりの更新となります) 映画ドラゴンボール スーパーヒーローを観に行った。マンガとテレビアニメは追いかけていないが、神と神以降、ドラゴンボールの新作映画は追い…

やさしさに包まれたなら クレイジーケンバンドのカバーアルバムと、ジョジョリオンの完結

ジョジョリオンの連載が完結した。個人的にはおおむね満足、納得な話の締めかたで、53話 過去編完結時に(自分が抱いた)3つの謎への回答は、最終回までに示された。ストーリーの大筋、キャラクターの行く末、可能性を示した上で終わったのでおおむね納得…

ジョジョリオン ラストに向けて、2点 よしあしの感想、予想

ジョジョリオン 院長のスタンドがとうとう倒され、ウルトラジャンプの連載があと2回で終わるだろう(コミック27巻で完結するだろう)というところまで来た。 本作のラスト、話の結びを予想する記事を前回に書きました。 ジョジョリオン ラスト、話しの結…

ジョジョリオン ラスト、話しの結びを予想する

ウルトラジャンプのジョジョリオン連載 透龍くんにしゃぼん玉がいよいよ当たろうかという無音の2ページで今月号が終わって、次回掲載は2か月後 4月下旬発売号を待つことになった。 ジョジョリオン あと1~2回の掲載で連載終了、岩人間との戦いが終わっ…

スタンド使いの射程距離

新型コロナウィルス感染拡大防止のため、外出時 マスクを着用し、1~2mのソーシャルディスタンスを取ることが広く求められている。マスクを着用することに異論はないものの、日曜日の朝 ポストに封筒を投函するため外出したとき、無人の道路を歩いて渡る…

ジョジョリオン105話 見えないしゃぼん玉 の感想

2月19日発売 ウルトラジャンプ最新号、ジョジョリオンの最新話を読んだ。 終わりなき厄災というタイトルが終わって、あたらしいタイトルの話に移った。いよいよ院長ー透龍との戦いが最終局面に入ったことをうかがわせるタイトルだった。透龍くんにしゃぼ…

およげ!たいやきくん ポンキッキ音楽による人生賛歌

最近 さるきっかけがあり、ひらけ!ポンキッキの後継番組「ガチャムク」がBSフジで放映されているのを知って、日曜日の朝 これを視ている。 ひらけ!ポンキッキは自分が幼少のとき感銘を受けた番組で、大人になってから調べた後付けも含めて、当時の制作者た…

水木しげるの猫楠

(水木しげる先生のマンガで、もう1本 記事を投稿します。年末年始 ふだん溜まっていて、なかなか読めなかった本、調べごとに手を出しています) 水木しげる「猫楠」を読んだ。 南方熊楠の生涯をネコの語り部から眺めて描写したもので、自分的には、岸大武…

水木しげるの遠野物語

(ジョジョとほとんど関係のない話題になり、すみません。水木しげるさんのマンガについて触れた記事です) 年末年始 仕事と家事が落ち着いて、ゆっくり趣味、本を読む時間がとれている。 映画「怪獣大戦争」 X星人の優れた未来感覚、土屋氏の熱演、いわくい…

ジョジョリオンに残された謎 「壁の目」とは何か

ジョジョリオンが連載100回を迎えて、主人公と岩人間の戦い、ロカカカの実と東方家の因縁は佳境を迎えている。 物語の糸筋はだいたい解きほぐされつつある と(私自身は、読んでいて)感じるが、ひとつ、開幕当初から残された「謎の存在」がある。 壁の目…

ソクラテス、プラトン、アリストテレス 師匠と弟子、神と超人のドラマ  完璧超人始祖編を深読みする

(ジョジョとほとんど関係ない話題となり、すみません。9月連休中 ヒマのあるときに頭に浮かんだメモ、キン肉マンの忘備録です) キン肉マン 完璧超人始祖編は、神とその弟子、弟子がいかにして師匠を越えうるか 人類の起源と可能性に切り込んだ、壮大な大…

透龍くんと院長 2人の敵役、正体を予想する

お盆休みで暇になったので、ジョジョリオン 19巻~最新話(第99話)までの展開をザッと読み返してみた。 透龍と院長の2人が入れ替わるように登場して、主人公らを惑わせる展開となっている。 以下 私の展開予想が当たるか当たらないか 定かでないが、2…

種の起源、超ひも理論、ジャパニーズホラー アリの目タカの目で、ジョジョリオンを深読みする

ウルトラジャンプ2020年8月号 透龍君の出生が明かされ、人間(ホモサピエンス)と岩人間 炭素生物とケイ素生物の同異が解説される回を読んだ。 とても面白く刺激的な内容の話で、(残念ながら、先月くらいのブログ記事で書いた)透龍はただの医学生で院…

キャラクターは作者自身の投影である 独断と想像のメモ

マンガに描かれるキャラクターは作者自身の投影である。荒木先生の「漫画術」 キャラクターづくりの章で、そんなことが述べられていた。 理髪店に行ってヒゲソリをしてもらっていたところ、アヌビス神にとりつかれた散髪屋さんとポルナレフのやりとりが目に…

ジョジョリオン ラストバトルの構図

ウルトラジャンプ2020年7月号、レッドツェッペリン「CODA」風のフォントがカッコいい表紙の回を読んだ。 今月号 作者の絵を描くテンションがとみに上がってきていて、ロングの小さな人物でもジャガイモのような顔の崩れた表情が無く、ピシッと絵が決ま…

ジョジョリオン 2020年4月号の感想

ジョジョリオン 2020年4月号、「終わりなき厄災 その1」を読んだ。 2019年の年明け、密葉とつるぎの親子が学校でいじめられる話(コミック21巻、冒頭の一話)から話がつながって、今月号でひとつの節目を迎えた感じだった。 東方家の対立、康穂…

キン肉マンシリーズの概観 正→反→合の弁証法で、テーマやストーリーのつながりを読む

(ほとんどジョジョと関係無い記事になり、すみません。キン肉マンシリーズについて語っている記事です) キン肉マン1~36巻、37巻~現在までのコミックを揃えて読んでいるが、キン肉マン2世については、まだ読んだことが無い。 何となく、「2世もの…

「強さとは何か」 ブルースリーの燃えよドラゴンを観る

お正月休みに、映画「燃えよドラゴン」をはじめて観て、あわせて、手元にあった手塚治虫「マンガの描き方」を読み返し、ゆでたまご「生たまご」を読んだ。 東洋と西洋の違い、肉体と精神の調和みたいなテーマを求めて、アマゾンプライムではじめてレンタルし…

2019年の振り返り

2019年の暮れが押し迫って、今年のマンガ読書を振り返ると、ジョジョリオンはあまり面白くなかった。院長先生とのチェイスが延々と続いていた感じだった。 キン肉マン オメガ編の連載も読んでいるが、最近に読んだ1巻~60巻のインパクトが強い。 手塚…

火の鳥 全巻読了のメモ、手塚治虫と荒木飛呂彦の比較

手塚治虫の「火の鳥」を、黎明編から太陽編まで、ついでに別巻(角川文庫の第14巻。資料集的なもの)をあわせて読んだ。 火の鳥は小学5~6年生のときに読んだことがあり、印象的なコマやシーンが節々にあり、思い返しつつ読んだ。今回 読んで面白かった…