ジョジョ読者のブログ

ジョジョの奇妙な冒険の感想、批評、考察を書いています。

理想の科学者像

ジョジョと関係ない話題で恐縮ですが、STAP細胞 技術開発の行く末に興味がある。
自分は分子生物学者でもなく、専門外の事柄に判断を下すことはできないけど、
バカンティ教授、小保方さんらの発想・研究が実を結ぶのか、再現性あるものとして確立されていくのか、見届けていきたい気持ちがある。
(小保方さんが飼っているというスッポンがどんな種類、どんな亀なのかにも少し興味がある)

Nature誌に発表された論文に画像の不正が疑われ、論文の作り直し、実験の検証を行っていく流れになりそうである。
過去の歴史を紐解いても、研究開発にはねつ造、誤謬、ミステーク、トライアンドエラーの繰り返しが付き物だったようだ。

バカンティ教授は、かねて STAP細胞(に類する多能性幹細胞の技術開発)が進展する以前から、
「動物の細胞は、初期化できるはずだ」という「仮説」--信念、概念、妄想?--を抱いており、
これに小保方氏らが賛同する形で実験を繰り返し、先の論文発表にまで至ったのだという。


これらの事例を見ていて学ぶのは、
科学者には、ある種のマッドな、クレージーな心情が要求されるということだ。
そして、ただマッドな執念を持っているだけではなく、実験を行い、再現性を検証していく必要がある。

さるベンチャー企業創業者の口癖で、こんなことを話していた。
「自分は荒っぽく、リスクを取って判断・行動し、失敗も重ねてきた。
しかし、自分がリスクを取って行動しなければ、自分の会社を創業しようなどとは思わなかったはずだ」

科学者も実業家も事は同じで、
ただ唯々諾々と既定の作業を処理し続けるだけでは、新しい発見を切り開いたり、己の城を築いたりできる筈がない。
そして、マッドな執念を持ちながら、
日々の実験・仕事・毎日を、根本の所で偽りなく誠実に、築き続けることが難しく、また貴いのだろう。


ジョジョのキャラクターで、上記の「理想の科学者像」を想定してみる。
マッドな執念、「夢」を持ち体現するキャラクターといえば、スティーブン・スティールが浮かぶ。

日々の実験を誠実に繰り返すキャラクターが、連想しづらい。
あえて言えば、承太郎やジョルノなど知略・機転に長けたキャラが当てはまり、
承太郎は海洋生物学者として、シートン博士ばりの動物追跡を行ってもいる。

しかし、承太郎に科学者のイメージは湧きづらく、実験室で地道なトライアンドエラーを繰り返すというよりは、
スタンド使いの襲来に、知略とスタンドで迎撃する派手なイメージが浮かんでしまう。
ジョジョはあくまでエンターテインメントで、派手な面白さを追求している作品であり、
現実世界の地道な繰り返しとは描写される対象が異なっている ということなのだろう。

ダラダラとした文章になってしまったが、
理想の科学者像は、「スティール氏のような情熱を持ち、承太郎のごとき鋭い判断力・理性を持つ人物」となる。
……フィクションのスーパースター以外に、完璧な再現を求めるのは難しいかもしれない。