「ジョジョ立ち」と呼ばれる、いわゆるジョジョ的なポージング。
中性的とも評される、男の色気を醸し出すヴィジュアルイメージ。
荒木先生の発言によれば、それらのルーツは様々で、
ルネサンス・バロックの大理石彫刻、アントニオロペスのファッションイラスト、ヴェルサーチなどのイタリアンファッション、スタローンやイーストウッドなど映画スターの立ち姿。
そして、近著 ジョジョベラーの画集コメントによれば、デヴィッド・ボウイ 'Heroes'のジャケットが、最も原初の、ジョジョ立ちのルーツであったという。
また、荒木先生の最もお気に入りのミュージシャンはプリンスだそうで、
たまたま生年月日が一緒(らしい)という縁もあってか、プリンスとその音楽に熱狂し続けていることは、作者コメントでも度々触れられてきた。
この記事では、デヴィッド・ボウイとプリンスについて取り上げます。
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●デヴィッド・ボウイ 'Heroes'
●プリンス LOVESEXY
上記2枚のジャケットを見ていただければ、両者の個性の違いがお分かりになると思う。
デヴィッド・ボウイもプリンスも、
つねに前を向くというか、新しい音・アイデアを求めて作品を作り続けてきた音楽家で、
王道を少しひねった、歪んだ感じが、両者ならではの音を作りだしている。
デヴィッド・ボウイの'Heroes'は、とても感動的なメッセージソングで、
ヒーローの在りかた、現実世界にヒーローが存在し得るかどうか、真摯な問いかけを投げかけてくる。
(「一日だけ、僕らはヒーローになれる」というサビの盛り上がりは、結婚式のウェディングソングに良いんじゃないか…?とも思うけど、
出席者の方々や、両家の親戚方がデビッドボウイ好きでないと、ただノイジーで歪んだロックソングを流しやがって、と白い目で見られるのがオチかもしれない)
プリンスのLOVESEXYは、発売当時 物議をかもしたジャケットですが、今見ても、やはりヘンなジャケットであることには変わりない。
パブロ・ピカソや岡本太郎が、芸術家としての偏屈さ・揺るぎない個性を表に出して、世渡りを行っていたように、
プリンスの性的な露悪趣味も、彼一流の自己表現であり、セールスプレゼンテーションの一つである。
プリンスの楽曲は王道をひねった、前向きでストレートな感じが特徴。
5部と8部、二人の主人公のスタンド名に採用されており、
初期のパーティーチューン「1999」は、4部 1999年の杜王町のイメージソースの一つであろう。
最もジョジョ/荒木作品らしいプリンスの一曲は、Pop Lifeになるのではないかと思う。
ーー文章で、音楽作品の良さを語ることはとても難しい。
プリンスやデヴィッド・ボウイのアルバムは面白いものが多く、よい楽曲が揃っています。
百聞は一見にしかず、ということで、ジョジョのファンで、両者のアルバムは殆ど知らないよ、という方は、一度 試聴してみられることをおススメいたします。
映画に主演したり、さまざまなエピソードを積み重ねてきてもいるので、人物伝を探ってみるのも一興かと思います。