「東スポ裏通り」のようなタイトルであるが、「街頭 淫タビュー」や「ボッ起ン画像」のようなエロい情報をまとめた記事ではありません。
個人的に思うところ、人生の裏通り的な事柄の箇条書きです。(最後のほうで、ジョジョにも触れています)
・XTC Oranges and Lemons を聴き返す。
アメリカ西海岸レコーディング、Dear Godに続けと「売れ線」を狙ったアルバムであるが、
Poor Skeleton Steps Out、Scarecrow People、そしてMayor Of Simpletonと「売れ無さそうな雰囲気」がそこはかとなく漂う。
しかし、その外し加減、くどさ加減が私にとっては心地よく、XTCの個性として受止めている。
人生に破れた者の嘆きがあり、裏ぶれてはいるが、しかし落ち込んではいない。
(アルバムの中で、Across This Antheapはストレートな嘆きを描いた曲であるが…)
Oranges and Lemonsは元気が出るアルバムで、
骨だけになっても、カカシ人間になっても、バカの市長と呼ばれても、めげずに逞しく生きるアンディ・パートリッジの有り姿が脳裏に浮かぶ。
・2017年シーズン 小谷野 栄一がオリックスの主力打者として好調で、このまま頑張って欲しい。
Number web掲載のインタビューで、
福良監督との10年来の付き合い、オリックス若手との関わり、
そして、パニック障害を発症して今に到るまで、どのような人生観・人間関係が移り変わっていったかが述べられている。
私自身も、小谷野氏と同じ頃にウツ病を患ったことがあり、今は緩解し、社会生活に復帰しているものの、
何かのはずみで調子が悪くなったり、クルマを空ぶかしし過ぎないよう、長距離ランナーのペース調整にいつも配慮している。
小谷野氏のインタビューはとても感動的で、客観的に見れば当たり前のことかもしれないが、自分には励みになるものだった。
・水木しげるが、「人生をいじくり回してはいけない」にて、こんなことを述べていた。
人生 一生懸命努力して、成功する人は1割。
努力しても9割の人は報われないのだから、ノンビリ過ごしたほうが良い。
水木しげるならではの皮肉、諦観、本音 複雑な意味合いが込められており、味わい深い。
(正確なニュアンスをたどりたい方は、水木しげるの原著に触れてみてください)
・あぶさん5巻 「酒ごころ」、「鰯雲」
「酒ごころ」は、得体の知れないオッサンが、酒ごころーーお酒の飲み方、人生のありようを読者に伝える話。
ラストシーン 見開き2ページの迫力は異様である。
「鰯雲」は、新潟の魚河岸で働く若者が、南海ホークスの入団テストを受けにくる話。
若者夫婦を前に呑みながら語る、あぶさんの言葉が忘れがたい。
「あと5年早くプロに入っていれば…それがぼくの悔いだ」
「その間 ぼくはただ飲んでいたに過ぎなかったのですよ」
・ジョジョシリーズの主人公たちもまた、裏通りを歩く男たちである。
ジョナサン・ジョースターは歴史の陰に生きた英雄であり、彼らの子孫も同じくであった。
ジャイロとジョニィの闘う姿は典型的で、レースは失格、賞金も得られず、仲間の一人は戦いで命を落としてしまう。
友達の遺体を祖国に還す旅の中で、ジョニィは何を思ったのか。
・荒木先生の新書「ホラー映画論」と「映画の掟」。
死の「恐怖」、生にまつわる様々な「不安」をいかにして乗り越え、付き合っていくかの処方箋。
「男泣きサスペンス」とは、勝ち負けを超えた男の生き様であろう。
・裏通りとは、失敗ではない。屈辱でもなく、「負け組」でもない。
ハレとケ、表舞台・晴れ舞台に立つのは人生の一瞬。
料理の仕込み~調理にとてつもなく手間をかけて、一瞬で美味を味わうようなものである。
・広島カープの緒方が現役を引退したとき、アスリートマガジンのインタビューを受けていた。
現役生活を振り返って、思い返すのは苦しいこと、苦しかったときの思い出ばかり。
楽しかったことは一瞬で、辛かったときのことが頭に浮かびますーーそんなことを述べていた。
通算1500本安打を達成し、前田・緒方・金本の外野でトリプル3の究極を極めつつあった男が、
楽しかったことよりも辛かったことが多かったと言うのである。
男の人生 かくあるべしで、中條かなこが惚れたのも頷けるというものである。