ジョジョ読者のブログ

ジョジョの奇妙な冒険の感想、批評、考察を書いています。

プロ野球、キン肉マン、ジョジョ 豪傑たちの生き様を追う

ジョジョと殆ど関係ない記事となり、すみません。
ジョジョリオンの連載を毎月読んでいますが、月刊誌ゆえか展開が遅く、こまめに感想を語りづらい雰囲気があります。
オージロー再登場の意外さ、つるぎと同級生 子どもと保護者たち、黒柳徹子のような学校長の陰険なやりとり、どちらにも非があり救われない感じは面白い。
スタンドバトルに入ると長くなってダレて、もっとテンポよく、キャラクター同士のかけあいを進めてほしい… というのが、最近の読後感です)


昨日 プロ野球オールスターゲームの第2戦にて、阪神の近本選手がサイクルヒットを達成。
打った近本は見事だが、パリーグの野手が怠慢な守備をしてわざと三塁打にしたことが、インターネットで賛否を呼んでいる。

個人的には、このようなやらせ、ファン感謝デーでやるようなおふざけはキライで、
お祭りごとの意味、ファンが何を喜ぶかの意味をはき違えているのではないか と思う。

落合が中日の監督をしていたとき「勝つことが最大のファンサービス」と言い、
2007年の日本シリーズで、山井が完全試合を達成する目前で岩瀬に交代させ、1-0で勝利、日本シリーズを勝ち抜いた事例があった。

前田智徳がアキレス腱を切って試合復帰した1996年頃、「もっといいプレーがしたい」とテレビ局のインタビューに呟いて答えていたが、
彼らが体現していたような真剣味は薄れてしまったのだろうか。

オールスターゲームは公式戦でも日本シリーズでもない、いわゆる花相撲の色合いがあり、年俸査定に含まれるのかどうか知らないが、
いつの間にかプロ野球は、私がよく観ていた1990年代からさらに変わって、何となく得体の知れない、さみしいものになってしまった気がしてならない。
とても残念だった。

さらに寂しさを募らせるのが、(この事件が起きたのが土曜日の夜、翌日は日曜日とあって)
ここは張さんの出番だ! サンデーモーニング 8:50にチャンネルをあわせれば、きっと張本が、今日現在のたるんだプロ野球選手に喝を入れてくれるに違いない!
と望みを抱いてサンデーモーニングを視たところ、
張本と田尾は、近本のバッティングフォーム 右の足が上がり過ぎ、左の手が入り過ぎていたが、昨日は良くなっていたので後半戦からはもっと活躍するはずだ と、
(私からすれば)どうでもいい技術論を述べるばかりで、かつての張本の牙は抜かれ、魂は削げ落ち、ただの好々爺になってしまっていたことがショックだった。


今年の4月1日から元号が変わり、平成は終わって、令和元年がスタートしている。
自分にはあまり関係が無いとうそぶいていたが、思わぬところで、日本社会の老い、移り変わりを実感した。
昭和は遠くなりにけり というフレーズがあるが、プロ野球の変節に、それを痛感した。

ついでのように言うが、先日 東京FMのニュースワイドを聴いていて、
「1980年代 少年ジャンプを代表するマンガは?」というアンケートがあり、回答の選択肢がドラゴンボールシティハンタージョジョ、その他マンガ 4つ。
1位 ドラゴンボール、2位 シティハンター、3位 その他、4位 ジョジョだった。(2位と3位は逆だったかもしれず、すみません。1位 ドラゴンボールが40%くらいの得票を集め、総回答数は2~3000だったと思います)

このアンケートを聞いて違和感を感じたのは、
1980年代のジャンプマンガといえば、鳥山明の2作品、キン肉マン北斗の拳キャプテン翼、聖闘士聖矢といったあたりで、80年代 ジョジョは決して人気作では無かった。
司会の鈴村健一は、ジョジョは連載が始まった当初 変なマンガという認識で、人気作ではなかった と述べていたが、そのとおりだった。
相方のハードキャッスルエリザベスは、ジョジョを知っているがキン肉マンは知らないという雰囲気で、何ともいえない世代ギャップを感じた。

おおげさにいえば、歴史認識というものは、こうやって、少しずつ入れ替わり、事実と食い違っていくのかもしれない。

日本プロ野球で、沢村栄治の速球は時速160kmを超えていたのか?みたいな議論があるが、客観的証拠が残っておらず、事実を正確にたどることが難しくなっている。
ジョジョを含めたジャンプマンガを巡る事情も同じで、客観的データが残っていても、歴史が書き換えられ、宣伝され、そのときどきの都合に良いようにゆがめられてしまうことがままあるかもしれない。


TFMのニュースワイドでは、鈴村健一と、(ねとらぼ?だったか、うろ覚えですみません)ニュースサイトの運営者が語り合っていて、
運営者さんの個人的一押しは、「銀河 流れ星銀」。犬が熊と戦う話で、作品説明を聞かされたハードキャッスルエリザベスは勝手が分からずポカンとしていた。

自分がはじめて少年ジャンプを読んだのは、1983~84年頃。
母親は最初 月刊少年ジャンプをまちがって買ってきて、兄がひどく怒った後、次に母親が買ってきた週刊少年ジャンプの表紙が、「銀河 流れ星銀」だった。

話がまとまらなくなってきたが、銀河 流れ星銀、魁! 男塾、北斗の拳のような破天荒なマンガ、豪快さ、豪傑の生き様を描いたマンガが減ってきたように感じて、少し寂しい。

1980年代前半 自宅近所にあった商店で、ドカベンの載ったチャンピオンを読んで、えらく汚い絵だなと思った記憶がある。
ドカベンあぶさんで描かれた昭和の「旧き良き時代」が移り変わり変質していくのは、ある意味で当然で、平成元年に建った建物が築後30年を超え、老朽化が進んでいる。

プロ野球の真剣勝負としての面白味が薄れていくのは寂しいことで、
かつて水島新司先生がチャンピオン巻末などで述べていた「日本のプロ野球が大リーグに勝ち、日本プロ野球こそを野球の本場として発展させたい」が、ものごとの本筋であるとは、今でも思う。

日本プロ野球が大リーグの下請け、4Aリーグみたいになってしまっているのは寂しいことで、
私は国粋主義者では無いが、日本プロ野球は日本プロ野球として、大リーグに負けない、日本独自の魅力を保った、地域社会に根付くものとして今後も発展を続けてほしい。

オールスター戦の花相撲は、その精神性において大問題であると言わざるを得ないが、かつて喝を入れてくれた張本はもう居ない。大沢親分ももう居ない。
そもそも、サンデーモーニングで喝とあっぱれを入れつつ適当なコメントをするだけの2人の爺さんに、何を期待して見ていたのか という向きもある。


豪傑の生き様を描くという意味で、1980年代ジャンプマンガの2つ、キン肉マンジョジョには、今でも大いに期待している。

実のところ キン肉マンの始祖編をまだ読んでおらず、シルバーマンがサイコマンと戦いはじめたあたりからしか読んでいないので、
何かの機会にヒマを見つけて、キン肉マン 王位争奪編後の展開を読み込んでみたいものだ と思っている。

ジョジョは、キン肉マンや男塾と重ならない点、荒木飛呂彦ならではの個性・表現も散りばめられているが、
読者の胸を熱くさせる少年マンガ、豪傑、男の生き様を描くという点で、彼らの描く作品には共通した個性がある。

スティールボールランは男2人の長旅もので、男の生き様を描く熱い話だった。

ジョジョリオンは、スティールボールランの裏、違う要素を取り入れて描いている節があって、主人公 定助のアイデンティティー探しに重きを置いている点が、(すでにオッサンとなった)自分にはまだるっこしく、じれったい部分もある。
フルーツ店の長男として、大家族の次期家長として苦悩する常敏、常敏から見た両親と妻、子どもたちのドラマが、クライマックスに向けての楽しみで、
常敏の行動に対する「裁き」、作者がどのような因果応報を提示するのか が読みどころと思って、期待をしている。

キン肉マンでは、キン肉マンソルジャー(アタル)が登場したのは良いのだが、
サタンと戦う、神を超えるか超えないかみたいな話がかったるく、そのあたりのテーマを超人プロレスに載せるのはムリがあるんじゃないか と勝手な心配をしている。

そもそもが、シルバーマン、ゴールドマン、ザ・マンの戦いを描き切ったところで、「神」のテーマはすでに描き切っており、
次のシリーズでさらにスゴイ、ザ・マンを超える強い男、同一路線でさらにスゴイ敵を出すのは難しいんじゃないか と思っている。

とは言うものの、ジョジョと違って、キン肉マンは同一の主人公(スグル)が主役を張りつづけて数十年 戦い続けているわけで、
物語を破たんせずに、読者に面白いと思わせ続けている時点で、ゆでたまご先生は只者ではない。

荒木飛呂彦が同い年のゆでたまごをライバル視し、近年 ジョジョ展大阪展を海遊館ヨコで開催するまで、大阪に足を踏み入れたがらなかったのも頷けるというものである。


ーー好き勝手なことを書いているが、この先、ジョジョキン肉マンの連載がどのように展開していくのか 楽しみに読んでいきたいと思う。