ジョジョ読者のブログ

ジョジョの奇妙な冒険の感想、批評、考察を書いています。

吉良の生い立ち・性癖を想像する

人には誰でも、隠された性癖・趣味がある。それは幼い昔 自分が追い求めて手に入らなかったものであったり、何か欠落が生まれてその隙間を埋め合わせようと這いずり回ったりするものであったりする。

 

好きだったアイドル歌手を告白するのは気恥ずかしいことであろうが、自分の場合 それに該当するのはAV女優だった。AV女優に会いたいというのではなく、中学生当時 庄司みゆきや樹まりこの肉体美、ひたすらにグラマーなボディに憧れて、どうやったらこのような肉体を手に入れる(=触ったりする)ことができるのか?と妄想したものだった。

今 見ると庄司みゆきや木田彩水は普通のお姉さん、少し幸が薄かったりヤケッパチな感じの、普通の女性に見える。今見てもボディはグラマラスで下半身がドッシリしている感じは特にいい。だが、かつて中学生が年上の女性に憧れたような神秘さは無くなっている。自分が成長して、現実に女性と触れ合うようになったからだ。

 

本題、ジョジョ4部 吉良の生い立ちと性癖を想像してみる。

何かのインタビューで、荒木先生は述べている。「吉良には裏設定があり、屋敷の遺留品を描くシーンには気持ちを込めた。吉良は両親が年をとってからの子供で、母親からいわゆる「可愛がりすぎる虐待」を受けていた。父親はそれをすまないと思いながら、何もできず傍観していた」ただ、このような裏設定を表に出すと悪役を倒す爽快感が薄れるため、連載当時 描写することは無かったという。

また、吉良には、モナリザの手を見て勃起し、切り抜きを壁に飾っていたという過去がある。手のきれいな女性を殺し、死体の手を愛玩するフェチを持っていた。

想像するに、吉良のお母さんは吉良を猫かわいがりする一方で、自分の望む「良い子像」から離れ、吉良が自立・成長することを望まない心情の持ち主だったのではないかーーダブルバインドの育児を行っていたのではないだろうか。

吉良が幼児のとき、母親は自らの「手」でわが子を優しくあやし、いたわる。しかし吉良が、何かしら母親の望まない言動(子供の行う他愛のない悪戯であっても)をすると「手」でビンタされ怒られ、自らの望まぬことをさせぬようにする。

幼児は自然に母親(女性の手、体)を求めるものだが、吉良は、その自然な感情・肉欲を露わにすることができないまま育ったのではないだろうか。

AVでも死体の手でも、生きた人間そのものではなく、切り離された物体であり、自分の主観的視点からいじくって遊ぶオモチャだ。

吉良が女性に愛憎の相反する気持ちを持ったのは母親へのかなわない愛情のねじれであり、他人に心を打ち明けられない彼は、ひとり死体の手を弄ぶようになったのではないだろうか。

 

同じ一人称視点の性的妄想なら、完全主観視点のAVか、オナホールにでもはまっておけば良かったのにと思う。みうらじゅんは取材兼趣味でダッチワイフを購入、使用体験までを記事にしていた。

彼のようなひとりあそびの上手さ・自らをギャグとして眺める客観性があれば、吉良も殺人鬼には陥らなかったのではないだろうか。