ジョジョ読者のブログ

ジョジョの奇妙な冒険の感想、批評、考察を書いています。

ジョジョ7部

ジョジョシリーズ 「究極の肉体」と「究極の精神」描写の移り変わりと、5部~8部への辛めの評価

ジョジョ5部と6部のコミックスを、実家から取り寄せてひさしぶりに通読した。(下記、私自身の率直な感想ではありますが、「過激」な意見も含み、万人向けではありません。あしからずご了承ください) 5部の中盤、イルーゾォの辺りからとみにバトルが分か…

スティール・ボール・ラン キリスト教と関わりつつの総括

ジョジョとキリスト教の関わりに主眼を置きつつ、7部のストーリーとテーマを総括しようとする記事です。 ジョジョ展みたいなシリーズ歴代主人公集合企画があるとき、ジョナサンがシーザー風バンダナ、ジョセフが飛行帽、7部からはジョニィが登場するのが恒…

ジョジョ6部 キリスト教と関わりつつの総括

ジョジョとキリスト教の関わりに主眼を置きつつ、6部のストーリーとテーマを総括しようとする記事です。 6部は、5部で示された「運命の奴隷」モチーフの進化、「人間は、産まれながらに罪を背負う」ことの深化と追求が図られた。 「罪人」として、罪を背…

ジョジョ5部と6部の難点 (ジョジョとキリスト教の関わり、端書き)

仕事の関係でキリスト教とそれに類比・対置する思想哲学を調べる必要があって、自分なりにあれこれ読んでいた。まだまだ調べて実践し、確かめている最中であるが、途中でふと気がついたことがあり、「ジョジョのシリーズ、中でも5部と6部、7部以降の展開…

ジョジョ6部→7部・8部へと通底するテーマ 「自然に帰れ」と2011年問題

ジョジョシリーズを続けて読んできた方であれば、6部ラストの大きな「断絶」、7部以降への「転回」について、ひとこと語らずにはいられないものだと思う。6部のラストが謎めいた解釈を残していることもあるし、キャラクターや舞台設定に没入するタイプの…

1890年 スティール・ボール・ラン 記者会見

最近、仕事と趣味を兼ねて、にわかに世界史を勉強し出している。宮崎正勝「スーパービジュアル版 早わかり世界史」という本が、最初に読んで面白かった本で、暗記事項の詰め込みだと思い込んでいた世界史から、「理解して、歴史の動きを捉える」面白さに目覚…

スティールボールラン と ドラゴンヘッド

今、自分が最新作の連載をおいかけて読み続けているマンガは荒木飛呂彦、望月峯太郎(ミネタロウ)の2人だ。鳥山明はマンガを殆ど描かなくなってしまったので、この2名になっている。二人の書いたマンガでスティールボールラン、ドラゴンヘッドは、似た批…

ジョジョをリアルタイムで読んだ記録

ジョジョをリアルタイムで読んだ記録。ごく個人的な記録です。徐々に遡る、荒木作品との出会いはバオー来訪者が最初。兄が買っていた少年ジャンプで読んでいた。初回掲載前の予告(バオーが正面向いて吠えるカット)と、最終回の見開き表紙を覚えている。次…

スタープラチナの肩パッド

ジョジョベラー スタンドブックからの話題。 荒木先生によるコメントで、スタープラチナの肩パッドについて語られている。 曰く、肩パッドの渦巻き模様は「北斗の拳」に影響を受けているが、波紋や無限を表現・象徴したものであるらしい。 1・2部の波紋→3…

人生の3ステップ

ジョジョベラー限定版が、ぶじ手元に届いた。荒木先生と椛島編集の対談、巻末の作者インタビュー、井藤編集の記事を読んだ限りだが、2万円ぶんの価値はあったと思う。ありがたいことだった。ジョジョベラーの中で、スティールボールランが「輪廻、再生、無…

旅と故郷

先のエントリーで触れていた、保守と革新という概念は、「旅と故郷」という物語の黄金律に当てはまる。 主人公が故郷を旅立ち、異国を旅することで成長し、以前とは違う自分となり故郷に帰る。 主人公は故郷に留まったままではダメで旅に出る必要があり、か…

保守と革新  男の世界と、女の世界

保守と革新という概念について考えている。2つは相対立する矛盾ではなく、両者がからみあって成り立つことで人間の世界は出来上がっている。そのことは確かなのだけど、何をもって保守といい、何をもって革新とするのか 自分に引き付けた定義をすることが中…

理想と現実

7部SBRから、連載の舞台が少年誌から青年誌に変わった。正確には、2nd stage、遺体争奪戦の始まる所からウルトラジャンプでの連載に切り替わった。 作者がどこまで連載誌の切り替えを意識したのかは分からない(本人じゃないので)が、SBRという物語の風合…

SBR Final Stageの結末

ウルトラジャンプ最新号で、ジョニィの死に様が描写され、いよいよ本格的に(?)死んでしまった。 そこで、久しぶりにSBR 21~24巻、終盤の展開を読み返してみた。初読時には無かった発見、また同様の感想・疑問を持った。 ジョニィがルーシーに言伝…

ジョジョで燃えたメッセージ

ジョジョシリーズに、いわゆる名セリフ、名場面は数々ありますが、自分的に強く印象に残っているものの一つが、スティール氏 記者会見のメッセージ。 真の「失敗」とは! 開拓の心を忘れ、困難に挑戦する事に無縁のところにいる者たちのことをいうのだッ! …

黄金長方形 重力(万有引力)  ジョジョと物理と美術

※下記の記事は、ブログ著者の理解が及ぶ限りの正確さであり、物理学的正確性は必ずしも保証できません。 プッチ神父のメイドインヘブンは、重力を操作することで、時間の進みをすこしずつ速め、ついには極限の未来まで時間の矢を到達させるという。 これは、…

創作の源泉としての宇宙の拡がり と、 三大栄養素における、E=mc2

SBR10巻末 スタンドの解説漫画で、素粒子が発生したり消滅したりするのに触れられていた。対消滅・対生成を扱ったバレンタイン大統領のスタンド能力。重力を操ることで時間を操作する(無限大に加速させる)というプッチ神父のスタンド能力。 最近のジョジ…

ジョジョ2、3、7部に見る 分離→旅→帰還

ジョセフ・キャンベル著 千の顔をもつ英雄によると、 ヒーローの物語、神話は下記のひな型を持つものが多いという。(松岡正剛氏の受け売り) (1)「セパレーション」(分離・旅立ち)→(2)「イニシエーション」(通過儀礼)→(3)「リターン」(帰還) 分離→旅→帰還と…