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ジョジョ読者のブログ

ジョジョの奇妙な冒険の感想、批評、考察を書いています。

The Rainbow Children 40歳の節目に抱いた、極個人的な感想



(下記 ジョジョとは殆ど関係のない記事となり、申し訳ありません。
プリンスのThe Rainbow Childrenを中心に、自らの思うところを述べた極個人的な記事です)


今年の夏 めでたく40歳を迎えることができた。
40歳という年齢は人生の折り返し地点を過ぎており、60歳まであと20年、意識と体力を高く保って働けるのはそれよりもさらに短いだろう。

40歳の節目を越えるにあたって、自分自身、どのような40代を送るべきか、
これまでと較べてどのような人生を送らねばならないか、ゴールから逆算して考える、想像することがままある。


映画を観るとき、1回目ではどんなストーリー、どんなラストになるかに気がそぞろでソワソワしていて、
一回 観終わった後、(後日)2回目を見返したときに、映画の全体像がよく分かり、作品の細部と全体をじっくり楽しめることがある。

映画でも小説、マンガでも同じだと思うが、作者の年齢、人生の歩みと呼応するように個々の作品は紡がれており、
ある作品を読むとき、読者(自分)の人生に重ねつつ読むことで、新たな発見が得られたり、感動・共感が深まることがある。


プリンスは2016年、58歳で亡くなったが、プリンスの死後 彼の人生が完結することで、作品像の全体が把握しやすくなり、
また、彼の年齢に読者(私)が近づくことで、これまで見えなかった彼の世界観が見え、理解が深まることがあった。

プリンスと私の出会いは1992~93年、私が高校生で、ジョジョ第4部の連載が始まった頃だった。
第4部の舞台設定がプリンスの1999に在ることを何かで知り、サイケなジャケットにも魅かれて、1999をレンタルしたのが始まりだった。
とても明るく拡がりのある世界観、キーボードのシンプルな和音が大好きで、カセットテープで繰り返し聴いたものだった。
(これより以前 パープルレインやバットダンスなど、TVでプリンスを聴く機会もあったのだが、自分からプリンスを求めて聴いたのは、1999が初めてだった)

1999を気に入って、その後 80年代の傑作群、元プリンスに改名してからのニューアルバムも買いこんでいったのだが、
プリンスの曲を聴いていて、どうも自己愛・自意識過剰が強すぎると思い、(近親憎悪のような)嫌悪感を抱きだしたのと、
マイテとの結婚がうまく行かなかったりしたニュースを聞いて「実生活に説得力がない!」と憤って、プリンスから離れることになった。
(その当時 自分はただのヒマな学生で、仕事もせず恋人もいなかったというのに、だからこそ?、プリンスに過剰に思い入れ、そして一方的に幻滅していたのだろう)

その後 大分時間が経って、今年になって、プリンスが死んだのをきっかけに、彼のアルバムを聴き返していた。
最近になって聴きなおしてみて、いちばん驚いたのは、1988年発表のLovesexyがとても素晴らしく、愛と人生をまっすぐに見つめた純粋な魂を表現しようとしている透明さだった。
学生当時に聴いたときは、件のカバージャケットはともかく、全曲が1トラックに結び付けられているのが我慢できず、ムダにせっかちな悪癖のある私は、「こんなワガママな1トラックの独り言を聴いてられるか」と思い、聴きこむ意欲が失せたものだった。

今はオッサンになって、ゆったり時間を過ごす方法、1時間くらいのあいだゆっくりアルバムを聴きこもうという余裕が持てるようになったので、
Lovesexyも、The Rainbow Childrenも、頭から最後まで、それなりに集中して聴いて楽しめるようになった。

ドルトムントコンサートを観、アルバムを聴き返して分かったのだが、
Lovesexyは、(プリンスらが扮する)天使たち、愛と真実の使い手たちが、地上に降り立って「愛を広めるコンサート」を行っているかのようなスタイルを採っている。
30歳前後のプリンスは音楽的才能の絶頂期で、体力・精神力の高まりもピークにあり、とてつもない切れ味でコンサートを取り仕切る。
Aiphabet St.からAnnna Stesiaに到る一連の流れが聴きどころで、1999の爆発的な高揚感からスタートして、Lovesexyで天を掴む、神の位置に限りなく近づこうとしているかのような、そんな幻を思わせるほどの迫力がある。

そして2001年発表のThe Rainbow Childrenは、Lovesexyに続く「神に捧げるゴスペルアルバム」である。
プリンスは40歳を越えており、結婚・離婚を経験し、子供との出会いと別れがあり、父母の老いを見、20年間の様々な音楽家のキャリアを経て、
色んなことが人生に起きて、そしてその人生が通り過ぎてしまう前に、波と波の間で、
今 在るところの、キリスト教の福音、自らの信じ、考えられるところの物語を綴り、一本のアルバムを書き起こした。そんなアルバムであったと思う。

The Rainbow ChildrenはLovesexyに較べると幾分地味で、落ち着いており、芸術家がピークにあるときの神がかった全能感と迫力は薄れている。
私はキリスト教の信者では無いが、他人の考えを知ることには興味があり、
プリンスが語るキリスト教の物語、彼が何を信じ、何を求めて人生を戦ってきたのか、これからどう生きていくのか、彼の宗教と哲学を知ることは興味深かった。

独断によるとThe Rainbow Childrenは、ラスト曲のLast Decemberに向けて全てが盛り上がっていくアルバムで、
1曲目から6曲目までの流れ、She Loves Me 4 Me辺りのタメを挟んで、キング牧師の演説からラスト曲までの異様な盛り上がりはとにかく素晴らしい。

アルバムの中で、The Rainbow Childrenを巡る、(プリンスの解釈による)聖書の新たな物語が紡がれていくが、
Family NameでThe Rainbow Childrenは現実の黒人(人種)の物語であり、永遠に在る今を語るEver Lasting Now、そしてLast Decemberが最後を締めくくる。

Last Decemberの歌詞は、プリンスが自分自身を鼓舞するように語りかけるでもあり、亡くなった我が子の魂に語りかけるようでもあり、そしてもちろん、聴き手のファンたちに語りかけるようでもある。
己の人生、これまでの道程を振り返った末に、僅かの静寂、沈みが有り、その後に爆発し畳みかけるのが、1999で聴いた、あのシンプルで華やかな、夜明けを告げるかのようなキーボードとギターの輝きであった。
「ここであの音が鳴るのか!」と感動し、胸が震えずにはいられなかったし、繰り返し聴いていても、やっぱりそう思う。
ーー私としては、高校生のときに1999に出逢って、そして今 40歳になってLast Decemberに出逢えて良かったとつくづく思った。


プリンスのアルバムで、最近によく聴くのはLovesexy、The Gold Experience、The Rainbow Childrenという辺りなのだけども、
今の自分にとっては、40歳を越えたプリンスの、ある種の達観、悟り、世間に期待しないが絶望もしないというような落ち着いた態度、
自意識や性欲の高ぶりが冷めて、しかしまだ熱い熱情が胸の中で燃えているような、そんな精神のありかたがとても気持ち良く、落ち着いてフィットする。


プリンスのアルバムは、特に2000年以降のモノはまだ聴けていないものが殆どで、これから先 新たな音源を発掘して聴き込んでいく楽しみがある。
ジョジョのシリーズは、1部開始以降 リアルタイムで読み続けているので、新たな作品を発掘する楽しみは少ないが、年代と共に読みどころ、作者の意図を新たに掘り起こす楽しみがある。
月並みな表現ですみませんが、「虎は死んで皮を残す。ヒトは死んで作品を残す」ということで、
プリンスやジョジョ、そして私自身も、死ぬまでにどんな作品を残せているのか、生きている間の足跡作りが全てなのだと理解、反省させられる。

最後になりますが、プリンスのLast December、この曲の歌詞を引用して記事を締めくくりたいと思います。
(興味のある方は、こちらのリンクから同曲を購入できると思います。ご参照ください)


"Last December"

If ur Last December came
What would u do?
Would anybody remember
2 remember u?

Did u stand tall?
Or did u fall?
Did u give ur all?

Did u ever find a reason
Y u had 2 die?
Or did u just plan on leaving
Without wondering y?

Was it everything it seemed?
Or did it feel like a dream?
Did u feel redeemed?

In the name of the Father
In the name of the Son
We need 2 come 2gether
Come 2gether as one

Did u love somebody
But got no love in return?
Did u understand the real meaning of love?
That it just is and never yearns?

When the truth arrives
Will u b lost on the other side?
Will u still b alive?

In the name of the Father
In the name of the Son
We need 2 come 2gether
Come 2gether as one

In ur life did u just give a little
Or did u give all that u had?
Were us just somewhere in the middle?
Not 2 good, not 2 bad?

In the name of the Father
In the name of the Son
We need 2 come 2gether
Come 2gether as ONE