ジョジョ読者のブログ

ジョジョの奇妙な冒険の感想、批評、考察を書いています。

作者の思惑

日曜日の昼間 ゆったりした時間を活用して、キン肉マン王位争奪編(24~36巻)を一気に読み終わった。

王位争奪編は、昔 ジャンプの連載で読んでいたよりも大分面白かった。
毎週ごとの連載を読むのではなく、コミックスで一気に通して読んだからだと思う。
キン肉マンソルジャー、フェニックスの魅力が子どものときはよく分からなかったが、今読むとよく分かった。
サタンクロス、オメガマンあたりの試合は子どものときも詰まらなくて、そのときの印象と変わらなかった。

新シリーズ(38巻以降の始祖編)も、さわりだけを読んで、シルバーマンが出てきて以降の連載は、毎週ネットで読んでいるので、
これで大方、キン肉マン オメガマンとソルジャーが戦っている現在のくだりまで、自分の中で作品が繋がって嬉しい。
キン肉マン2世はまだ全然知らないが、パラレルワールドとして、老後の楽しみに取っておこうかな?と思う。グルマンくんあたりのマイナー作品も、ヒマがあったら見てみたい。

1~66巻までの全巻セットを持っているので、オメガマン編(61巻~)の巻末Q&Aコーナーも目を通したが、
65巻 50代を迎えて人生にすこしくたびれた読者に、ゆで先生が自らの仕事観を語るくだりがあり、読んでてグッとした。

36巻 スグルとフェニックスが自らの出自を語り合い、最終回の大団円にもグッときたが、
これまでの積み重ね、1巻 ダメ超人からの成長・努力があるので、ハッピーエンドに説得力が出ているのだ と思う。

ゆで先生の巻末Q&Aを読んでいて、ハッとなったのが、
メガマン編の最初 カナディアンマンやベンキマンなど「弱い超人」を出していたのは、
ロビンマスクラーメンマンなど評価・キャラ付の固まった人気キャラではなく、
人気沸騰前のキャラを使って、(読者人気の定まっていない)自由な、肩の力を抜いたところで新展開を描いてみたい という意図があったらしいことだった。

カレクックやウルフマンの活躍が、読者の好評を得たのかどうかというと微妙なところかもしれないが、
ゆで先生はいろんなことを考えて、(当たり前だが)作者の思惑をもって、日々 マンガを描いてるのだな と思った。


荒木先生のジョジョリオンも、直近の投稿で、今月号の話(ホリーさんが突如復活して、定助を助けた話)に辛辣な感想を書いたが、
これは多分、ホリーさんと院長のエピソードを、手っ取り早く片づけて、定助たちキャラクターのベクトルを、東方家に揃えたくなったのだと思う。

私の憶測に過ぎないが、次回の話からは、東方家に集まるキャラクターたち、三者三様のロカカカ争奪が描かれるのではないか。

ジョジョリオンキン肉マンも、連載を展開していく中で、細かい設定の変更、辻褄が合わなくなることがあるが、
コミックで通して読んでると、大きな話の流れを追っていくので、細かい辻褄を無視して、結末までのページめくりを、ダーッと進めていく感じがある。

そもそも、ふだんの生活、日常の仕事や人間関係において、そうそう緻密な論理性、破綻の無い整合性というものは発揮されないもので、
マンガの展開や落ち、ストーリーのまとめかたというのは、終わりよければすべてよし、面白さが全て というのが、私の思うところである。

ジョジョリオンのラストへの展開で、見落とさないでほしい(忘れられるかもしれない)と思うのは、吉良の妹の扱い、シャボン玉のスタンドが超ひも理論にあることで、
東方家の相克、主人公の行方というのは、メインテーマとして、これからしっかり行く末を描かれるだろう。

スタンドバトルのスカッとした逆転劇を見てみたいけど、シンプルに解釈・応用しづらい能力が多く、さてどうだろうか という心境である。