ジョジョ読者のブログ

ジョジョの奇妙な冒険の感想、批評、考察を書いています。

映画 SANDLANDの感想と思い出

ジョジョランズ 1巻が発売され、シャムネコ軍団と決着がつく最新話までをウルトラジャンプで読んだが、ジョジョランズにはあまり語りたいことが無い。
ネコの描写がうまくなっていて、陰でデッサンを積んだのだろうか と思わされたのと、ウルトラジャンプ最新号の表紙 4人組のカラーリングが良く、描いてて楽しそうだなあ という感じがある。
今月の話で4人組がひとまずまとまって、メリルメイチーも単なる悪人ではなさそうで、序盤は終了。次回の話からいよいよ、ジョディオが大富豪になる話、火山の溶岩をめぐるミステリーが本格的に始まっていきそうである。

 

夏休みの後半 鳥山明原作の映画 SAND LANDが公開され、息子と共に観に行った。
高校生になる息子と映画を観にいくのは、これから先 もうあまり何度も無いと思うので、貴重な体験だった。

夏空に湧く入道雲がすごい日で、写真を撮る。映画館から見る街並みの景色も写真に収めた。

SAND LANDの映画を観る前に思い出していたのだが、鳥山明原作の絵本 てんしのトッチオという本があり、
子どもが生まれて絵本を見るようになった頃、アンパンマンずかん、かいじゅうたちのいるところ等と共に、てんしのトッチオも、絵本の棚に忍び込ませていた。
だがしかし、てんしのトッチオは幼児にとってパンチが弱く、印象に残らない凡作だったようで、あまりこの本を読み返すことは無かった。
アンパンマンスーパー戦隊のほうがおそらく、子どもの記憶に残っているはずである。

SAND LANDの漫画本も我が家にあるのだが、子どもいわく 漫画本を読んだことは無く、きょう はじめて、SANDLANDを映画で観て、ストーリーに触れたらしい。
ドラゴンボールは(大人が言わずとも、勧めずとも、こども本人にて)ストーリーを知り、キャラクターに親しみ、マンガやアニメ、カードダスの細かな設定、ドラゴンボールGTのキャラクターとストーリーまで事細かに把握していた。
ドラゴンボールという作品の持つパワーは、やはりすごいものらしい。

こどもいわく SANDLANDの映画は、ふつうに面白かったらしい。
4DXの演出付きで観たので、座席が揺れたり、水が噴き出したりする演出を、あわせて楽しむことができた。

映画は、原作漫画を忠実に再現していた。
アクションシーンやセリフのやりとり 細かなところが原作漫画から違っていた気もするが、違和感を感じることはなく、ああ、こんな話だったなあ…と思い返しつつ、すなおに映画を楽しんだ。

ひとつだけ、映画と原作漫画で違いを感じたセリフ、場面の有無があった。
映画になかったシーンで、原作漫画にあった、印象的なやりとりがある。

たしか、アレ将軍だったか誰かが、国を救う活躍を見せたシバ将軍(ラオ)に、国の中枢に戻ること、世の中にふたたび戻ってきてください と語りかける。
ラオはこれを断り、笑みを浮かべながら「わたしはジジイだ。ゆっくり休みたいんだ」と答える。

このやりとりが、映画には無かった。なぜか?
(真相は知らないので、わたしの推測だが)脚本家や映画監督の独断ではなく、原作者 鳥山先生の意向によって、映画のエンディング、テイストをちょっと変えたい という意向が働いたのではなかろうか。

コミックカバー 作者コメントより、
原作漫画は、もともと ジジイと戦車の話を描きたいというところから始まって、あとから(週刊少年ジャンプに掲載する都合、物語的なバランスをとることも考えて)悪魔の王子、魔物たちの設定を追加して、物語を膨らませていった と記憶している。

執筆当時 老境に入りつつあった鳥山先生のつぶやき、心境、連載漫画の戦いを終えた老人の気持ちを投影したキャラクターが、ラオだった。

今回の映画で、そこをあまり強調せずに、悪魔の王子と老人の旅の話、戦車で夏の砂漠を駆け回る冒険譚に仕立て直したのは、
やはり、夏休みに家族連れで映画を観にくるお客さまへの配慮、Vジャンプ最強ジャンプを見て映画館にやってくる子どもたちへの配慮で、あまり、老人の心境をにじみ出させる映画にしたくなかった。
そんな鳥山先生のプロフェッショナリズム、子どもたちへのやさしさが現れたものだと睨んでいるが、どうだろうか。

ドラゴンボールが終わったあとの鳥山マンガでいちばん好きなのが、COWA!である。
SANDLANDがヒットしたら、映画化第2弾でCOWA!がスクリーンに上映する可能性もあるのだろうか、無いだろうか。
映画化されることがあれば、ぜひ、楽しみに観に行きたい。