ジョジョ読者のブログ

ジョジョの奇妙な冒険の感想、批評、考察を書いています。

ジョジョ全体

ゴージャスな精神

ちいさこべえ2巻が発売されており、読んだ。以前にも触れたが、お茶の間と東京怪童 作者の前作を突き詰めて発展させたような漫画だ。 派手な事件が起きるわけでなく、描写も淡々としているが、間がよく、時間と空間に風が流れているかんじがする。 ジョジョ…

人生の3ステップ

ジョジョベラー限定版が、ぶじ手元に届いた。荒木先生と椛島編集の対談、巻末の作者インタビュー、井藤編集の記事を読んだ限りだが、2万円ぶんの価値はあったと思う。ありがたいことだった。ジョジョベラーの中で、スティールボールランが「輪廻、再生、無…

人生の伴走者

ジョジョの読者、ファンとされる人は沢山いて、いろんな人の感想や意見を読むのは楽しい。 ファンの中には、荒木先生と会ったことがあるとか、直筆のサインや年賀状を頂いたとかで、ずいぶん感激し、意気揚々とされていることもあるようだ。自分にはそんなき…

能動的に読む

堀井雄二さんの「虹色ディップスイッチ」という本を読む機会を得た。ドラゴンクエスト1~4をデザイン・製作していた頃に書かれたエッセイをまとめたもので、巻末のゲームクリエイターとのインタビューも興味深い。「ぬお~~、○○だぜっ!」と燃える煽りが…

旅と故郷

先のエントリーで触れていた、保守と革新という概念は、「旅と故郷」という物語の黄金律に当てはまる。 主人公が故郷を旅立ち、異国を旅することで成長し、以前とは違う自分となり故郷に帰る。 主人公は故郷に留まったままではダメで旅に出る必要があり、か…

理想と現実

7部SBRから、連載の舞台が少年誌から青年誌に変わった。正確には、2nd stage、遺体争奪戦の始まる所からウルトラジャンプでの連載に切り替わった。 作者がどこまで連載誌の切り替えを意識したのかは分からない(本人じゃないので)が、SBRという物語の風合…

死の恐怖を乗り越える  荒木先生のホラー映画論

荒木先生「ホラー映画論」を、発売時以来 読み返してみる。 ホラー映画を見る目的は、創作上の勉強に加えて、 死や暴力などさまざまな恐怖を見つめ、相対化し、乗り越えること。恐怖と対面するための予行演習にある。そしてまた、創作上の出来事として、恐怖…

ジョジョで燃えたメッセージ

ジョジョシリーズに、いわゆる名セリフ、名場面は数々ありますが、自分的に強く印象に残っているものの一つが、スティール氏 記者会見のメッセージ。 真の「失敗」とは! 開拓の心を忘れ、困難に挑戦する事に無縁のところにいる者たちのことをいうのだッ! …

ジョジョとドラクエ 創作の目指す高み

ジョジョとドラゴンクエストが似ている、という言説がある。自分も、そう思うところがある。 ジョジョとドラクエが似ているのは、1~3までが3部作として連なって成立しており、また1~3によって、その後のシリーズの基盤が出来上がったところだろう。 …

ジョジョのパクリ 創作におけるパクりパクられ

ジョジョファンには耳の痛い話かもしれませんが、ジョジョのパクリについてです。 自分には3歳上の兄がいて、映画好きの彼は、自分が小遣いで買ってきたジャンプを回読してはあれこれ感想を述べたものだった。 運命の車輪が、スピルバーグの映画「激突!」を…

あの物語のその後 凡事徹底が、異常へと昇華する  ちいさこべえ、ジョジョ、イーストウッド、ドラゴンボール

あまりジョジョと離れる話のようで恐縮ですが、望月ミネタロウ「ちいさこべえ」の話です。 望月ミネタロウ「ちいさこべえ」という漫画の1巻が発売されていて、購入し読んだ。山本周五郎が書いた江戸時代の小説を、2012~13年の現代に置き換えている。…

「謎」と「泣ける」要素 5部~8部

「謎」と「泣ける」要素 5部~8部。 5部からは、人情話ではないが、「泣ける」要素と「謎」要素が意識的に前面に押し出されてきてる感じがするが、個人的には感情移入、設定やファンタジーにのめりこみにくくなった。 初読時の年齢にもよるだろうが、作品…

「謎」と「泣ける」要素 1部~4部

映画の掟によると、サスペンス(物語)を成り立たせる5つの要素の内、「謎」と「泣ける」がもっとも大切な要素だという。 1~4部の上記要素について、思いつくところを挙げていく。 1部 謎 ☆☆☆☆ 石仮面の謎、吸血鬼の謎。どうやって怪物を倒すのか 泣け…

「サスペンス 5つの要素」による、ジョジョ1~8部の作品評価

映画の掟にならって、ジョジョ1~8部を「サスペンス 5つの要素」で作品評価をしてみた。 各要素 ☆1つ~5つまで、合計25点満点。100点満点に換算した点数も表示。 1部 謎 ☆☆☆☆ 感情移入 ☆☆☆☆ 設定描写 ☆☆☆ ファンタジー性 ☆☆☆☆ 泣ける ☆☆☆☆ 合計 …

荒木飛呂彦の超偏愛!映画の掟 感想

荒木飛呂彦の超偏愛!映画の掟 集英社新書を購入し、読む。 どうでもいいけどスゴイタイトルで、本屋さんに書名を尋ねるのがちょっと恥ずかしかった。 中身は、荒木ヒロヒコの映画鑑賞ノート、漫画製作のための分析メモ その一端を読ませてもらったという感…

ジョジョを野球選手に例える 脇役編

ジョジョを野球選手に例える 脇役編。 主役と悪役以外のキャラクターについての連想です。 ●1部 ジョージジョースター1世=掛布雅之 エリナ=若菜瀬奈 ダニー=真弓明信 ポコ=仁志敏久 タルカス=別所毅彦 ブラフォード=今中慎二 ●2部 ジョージジョースタ…

椛島編集の一喝「新人が人気なんか気にするな! 大事なのは完成度だ!」

少年ジャンプ 椛島氏が編集が務めたマンガの一つに、岸 大武郎「恐竜大紀行」がある。 同書の完全版が出版されており、鳥山明先生のあとがき、作者のあとがきがある。 (ちなみに、鳥山先生がジャンプ誌上で目に留まり、読み込んだ数少ないマンガが恐竜大紀…

悪役の美学

ジョジョに限らないが、面白い物語には優れた悪役がいる。 ウルトラマンの主役はウルトラ怪獣、その造形とバリエーションにあると言う人もいる。 ジョジョにおいて、裏の主役たる悪役はディオに尽きるだろう。 ディオには、1部、3部、また6部の作中で語ら…

ジョジョを野球選手に例える (改)

ジョジョを野球選手に例える連想ゲーム。悪役を付け加えて、再度考えてみた。 ディオや吉良は、マンガのイメージから野球選手を当てはめるのは難しかったので、主人公役との対比から選んだ。 このキャスティングに基づき、野球選手が織り成す、ジョジョの壮…

ジョジョを野球選手に例える

ジョジョを野球選手に例える、連想ゲーム。 ジョナサン=松井秀喜 ウィルAツェペリ=長嶋茂雄 スピードワゴン=青田昇 ジョセフ=落合博満 シーザー=稲尾和久 リサリサ=落合信子 スモーキー=落合福し シュトロハイム=豊田泰光 承太郎=王貞治 ジョセフ=…

尾上菊之助、榮太樓、野村萬斎

雑誌ダヴィンチにて、荒木先生と尾上菊之助の対談記事があった。尾上氏が歌舞伎を演じるにあたって、身体性をどのように構築・発展させるか。また、伝統とは古いものに固執するのではなく、いかに現代の文化・習慣を取り入れながら、基本を変化生成させてい…

創作の源泉としての宇宙の拡がり と、 三大栄養素における、E=mc2

SBR10巻末 スタンドの解説漫画で、素粒子が発生したり消滅したりするのに触れられていた。対消滅・対生成を扱ったバレンタイン大統領のスタンド能力。重力を操ることで時間を操作する(無限大に加速させる)というプッチ神父のスタンド能力。 最近のジョジ…

電荷と電場、電場の及ぼす力  電磁気学を、スタンドの例えを使って理解しやすくする

電磁気学を、スタンドの例えを使って理解しやすくする。(個人的な学習メモのため、正確さに欠けることをご容赦ください) ●写像:2つの集合が与えられたときに、一方の集合の各元に対し、他方の集合のただ一つの元からなる集合を指定して結びつける対応の…

宗教の成立と発展に、根源の「なぜ?」を問う  17歳のための世界と日本の見方

6才ぐらいのときに「なぜ生きているんだろう?」「人生とはどういうことなんだ?」と疑問を持ったことがあって、疑問をもった自分(幼児)の頭上にグルグルつむじ風が巻き起こって、それを頭上から見ていたような記憶がある。 (何を言っているか訳が分から…

ジョジョ2、3、7部に見る 分離→旅→帰還

ジョセフ・キャンベル著 千の顔をもつ英雄によると、 ヒーローの物語、神話は下記のひな型を持つものが多いという。(松岡正剛氏の受け売り) (1)「セパレーション」(分離・旅立ち)→(2)「イニシエーション」(通過儀礼)→(3)「リターン」(帰還) 分離→旅→帰還と…

ニュースの無い町

ニュースの無い町がある。事件、事故、スキャンダルが起きず、昨日と同じ、昨年と同じ平穏な暮らしをつないでいる町がある。そうした町の人々の暮らしは、ニュースに載ることは無い。新聞にもネットニュースにも載ることは無い。 では、そうした町は「無い」…

何かをベースに、何かを取り込む

何かをベースに、何かを取り込む現象は、いくつか例を挙げることができる。 ジョジョ 洋画、西洋美術、洋楽のマンガ化 手塚治虫 映画を、コママンガに取り入れる 鳥山明 Dr.スランプの世界観に、カンフー映画やSF映画、諸々を取り入れる クラフトワーク クラ…

3部+αの、物語づくり

ダヴィンチ jojo=japan号にあった、各部の紹介記事から触発されたメモ。 1~3部 神話 4部 日常 5部 経済 6部 宗教 7部 宗教、政治 8部 ? 1~3部は100年の時を越えた大河ドラマ。承太郎らがDIOのいるエジプトをめざす旅は、現実的に考えると無理…

ジョジョで燃えたキャッチコピー

3部2話、巻頭カラー 守護霊を持つ承太郎の背後に、ディオがほくそ笑む見開き。 ジョナサン、ジョセフ、承太郎…。 100年の時を越え、今 激動 第3部!! 一行目の部分は頭にこびりついていて、今でも日常のふとしたはずみに頭に甦ってくる。それくらいイン…

創作の戦い

昔、大槻ケンヂと荒木先生が対談したとき、荒木先生があとがき漫画で「対談というのは戦いだと思った」とコメントしていた。 音石明の大槻と、荒木ヒロヒコがオラオラ殴りあっているイラスト。 OVAの製作話 北久保監督によるtweet(togetter)を読んでいて思…