ジョジョ読者のブログ

ジョジョの奇妙な冒険の感想、批評、考察を書いています。

ジョジョランズの「軽さ」 露伴が登場した理由を考察する

ジョジョランズ 露伴が出てきて、ジョディオと対峙する話にひとくぎりがついた。
シャムネコのスタンド使いが、どうも絵が下手な感じがするのだが、荒木先生はネコを描くのが苦手かもしれない。

ジョジョランズに露伴が登場したとき、なんのために露伴が登場したのか、その意図がすこし気になった。
実写映画の宣伝、荒木先生の思いつき、シャレ。作者が出したくなったから出した、ただの思いつき… 正解は分からない。
作者の真意は分からないが、いわゆるオールスター路線、過去キャラが無意味に再登場して懐古的お祭りになるのはあまり好きでないので、露伴がジョディオたちと対峙して、そういう路線にならなかったので一安心した。

ジョディオが「4つの円の短編」(岸部露伴は動かない ホットサマーマーサ)が良かったなあ と語るくだりがあり、たしかに、この短編は切れ味がよく面白かった。
露伴がマスクをかけて登場して、コロナ禍の現実に苦慮しているという、エッセイ的な身軽さが印象的で、ジョジョランズにもそんな、時代に通じよう、現代のノリ、身近な楽しさ、軽さを入れていこう というノリを感じる。

ジョディオたち4人は、ほんとうの(?)プロの犯罪者集団というよりは、まだ何者にもなっていない、未完成、未成熟な若者たちである。
犯罪をやっていることはたしかなので、罪への報いをどこで受けるか、やがて、物語のなかで語られていくのだろう。


なぜ、露伴ジョジョランズに登場したのか? こたえは謎だが、話のなかで、意味あるピースとして、露伴とジョディオの関係、露伴の存在が置かれていきそうなので良かった。

ひとつ わたし自身の想像をさいごに披露すると…
8部 ジョジョリオン露伴を出そうかという構想があったが、ジョジョリオン露伴(、あるいは露伴のリメイクキャラ)は登場せず、出しそびれたので、次の9部序盤に、8部との繋がりを出すキャラとして、杜王町露伴を出した。

ジョジョリオンは街を描く話で、狭く狭く、内にひきこもっていくかんじがあった。A4のコピー用紙を折りたたんでいって、どこまで折れば、月まで届く高さに近づけるか…というかんじ。
もとの話がA4コピー用紙1枚分なので、折って、折って、話が複雑になっていくが、最初を折り間違えると、あとを続ける、修正するのがなかなかつらい…。
ひとことでいうと、引きこもり的な良さ、(作劇上の)難しさ、両面がある話だったと思う。

ジョジョランズはハワイを舞台に選び、犯罪者予備軍(?)の若者たちを主人公に選んでおり、話が軽く、現代的で、「クズ」的な要素を散りばめ、15歳の若者たちを描いていこう という意図を感じる。
若返った物語展開が楽しいので、クズ的な主人公たちの生きざまを、現代とリンクしながら、軽やかに描いていってほしいものだと思う。

キン肉マン的軽やかさがあってもかまわないと思うので、次号の最新話で、いきなりシャムネコのデザインが変わって、いまのウサギ?ネコ?な不気味デザインから、リアル系のネコなんかに変わっていても面白い。
次号冒頭に注目したい。